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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

10月の夏日とグレタトゥンベリさん

10月なのに陽射しが強い。空は高く秋のそれだけど、熱帯低気圧になった台風が残した熱が半端なく、まだまだ半袖がしまえない。

 

先日の国連気候行動サミットで演説した、16歳のスウェーデン人、グレタトゥンベリさんが時の人となっている。

環境問題を訴え、毎週金曜日に学校を休んでストックホルムの議会前で座り込みの抗議活動をしていると紹介された時は、マララユフスザイさん(女性教育の必要性を訴えてノーベル平和賞を受賞したパキスタンの人権活動家)に続く、勇気と知性のある若者がまた出てきたと思った。

国連での演説も聴衆の胸を打ったと伝えられたが…。少し経つと、感情を露にして大人たちを非難する演説の態度に、違和感を感じた識者のコメントと同時に、彼女が発達障害であることなどの情報が流布し始めた。

誰かの意見に賛否があるのは当たり前だけど、彼女の訴える内容や演説に、”発達障害だから”は不要だと私は思った。

あの年齢の女性が、見知らぬ多くの常識ある大人を前に、環境問題に対して行動を起こすことを訴える時、あのくらいのインパクトがあって構わないだろう。

私みたいな、自分が生きている間はあまり関係ないと、他人事のように思っている人間までに、地球環境の現状や日本の取り組み状況に興味感心を持たせたのだから、大成功だと思う。

 

そして、10月の夏日に思う。すでに他人事ではないのでは…?

だって今年も各地で人が亡くなる暑さだぜ。台風の威力や被害だって年々増している。日本だけでなく世界で起こっている異常気象。自分がまだ生き延びていそうな10年後には、頻繁に洪水に見舞われたり、日常的に竜巻が起こったりしているかも知れないのだ。

俄然焦ってきた。もはや、自分事ですぜ。

 

久しぶりに新幹線から見た富士山の頂きには、雪がないっ!!すわ、温暖化のせい?!と思ったら、夏は雪がないんだって。(そうだった!)


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松重(豊)さんの言葉

先日たまたま見たNHK「あさイチ」のゲストが松重豊だった。

テレビやスクリーンでよく見るけど、トークしている松重豊を見たことはなかった。福岡出身とのことで、博多華丸と博多弁でおおいに盛り上がっていた。

どんな人って聞かれたとき「役者は空っぽだからね。(役を入れてキャラクターになる、という意味)」と言ったのがすごく印象的。役者さんの言葉として、私としてはものすごく好感が持てた。

そしてもう一つ。夫婦円満について「くだらない会話を続けられていること」がいいそうだ。

なるほど。

最近とみにくだらない会話しかしない家人との時間。ああ、これでいいんだ、と妙に納得した。

自分の観た映画の感想や職場であったこと、はては時事問題で感じることなど、そんなことはブログに書くことで、他人との共有欲求を処理しよう。いや、この1年実際にそうしてきたではないか。私の偏見に同意を求めたところでせんないことだ。その証拠にあちらの偏見も理解できないし、どうでもいい独り言として、ふむふむと聞き流している。

 

ようやっと、夫婦のコツがわかってきた今日この頃。松重さんの飾りのない、かなりヘビーな博多弁トークが耳に心地よかった。

 

 

「宮本から君へ」

池松壮亮が宮本にしか見えねー。

 

全編にわたり、暑苦しくて騒々しくて痛々しい宮本が、とにかく自分の中の筋1本通して七転八倒している。そんな中でも、恋人となった靖子(蒼井優)とのつかの間の幸せなシーンもあり、そんなシーンでの池松壮亮の優しくて甘ったるい声に、ワーワー叫んでいる声とのギャップを感じてやられてしまう。

一方蒼井優ときたら、本作でその美しいはずの肢体や顔を全く撮ってもらってないのだが、このわずかな幸せシーンで、かろうじて愛すべき可愛い女として写っている。本作のヒロインは美しいだけではできない。いや、蒼井優じゃないとできない。(とまで思わせる力強さと芯の強さ:どっちにしても蒼井優本人が強い)

 

セクハラという言葉が世に出始めた90年代、パワハラ、コンプライアンスなんて言葉はまだ生まれていない。彼女ぐるみの取引先との付き合いや休日返上で仕事がらみのイベントにも参加した時代に、今となっては「ありえねー」事態に2人が陥り、宮本の男一匹の戦いが始まる。

主人公(宮本=池松)がぶつかって跳ね返され、戦って打ちのめされるの繰り返し。登場人物のほとんどがカッコよくないこの映画。クズのジゴロを気取る井浦新の、ダメ男なのに色気が半端ないのがずるい。

宮本!あんなに図太くて反省を知らない野獣みたいな若造に、なんの戦略もなくただ猪突猛進だけで勝てるのか?!と、こちらも歯を食いしばりながら観ていたわけだけど、宮本なりに勝負をつけた。

映画のラストシーン、池松壮亮(=宮本)の笑った顔に、全身の力が抜けた。なぜか自然と涙か流れた。宮本っ、良かったなー。

 

最後にスクリーンにドーンと出てくる縦書きのコピー。(たぶんこんな言葉だったと思う)

「男なんですもの。

 女なんだから。」

今となっては逆行しているようなあり様かもしれないけれど、肯定してしまう。それでいいじゃん。飾りなし、打算なし、真っすぐで純粋に、相手を欲する(ひと昔前かもしれないけれど)男女の姿。

この時代に、この映画、観て良かった!

miyamotomovie.jp

 

 

 

 

 

 

「エニイ・ギブン・サンデー」(2000年)

まさに先週土曜日の、ラグビーワールドカップ「日本×アイルランド」戦のことを、”エニイ・ギブン・サンデー”というのだと思う。(ゲームは土曜日だったけど、そして日本は世界ランキング8位の強さだけど)

 

”Any given Sunday”とは、”どんな(弱い)やつでも、どんなに強いやつに勝つ(神から与えられた)日曜日がある”という、アメリカン・フットボールの格言らしい。

アメフトは毎週日曜日に開催される。その昔の敬虔なキリスト教徒なら教会に行くべき日曜日に、漢たちの(神に捧げる)熱き闘いを観にスタジアムに足を運んだ。それくらいゲームは神聖なものだった(?)

 

この映画、実は2000年の公開時に観ていた。オリヴァー・ストーン監督が撮ったスポーツ映画の迫力。落ちぶれつつあるチームを率いるコーチのアル・パチーノのしわがれただみ声が響く試合前のロッカー・ルーム。激・ゲキ!クサいセリフ。スポ根映画というだけでなく、選手を取り巻くスポーツビジネスの苛烈さをチームオーナーのキャメロン・ディアスで描き、選手たちのドラマも若手の成長、ベテランの引き際など、王道といえばそうだけど見応えはある。

そして、何よりもラストのちょっとした手のひら返し、老獪なベテランコーチ、アル・パチーノのしたたかさが、逆に鮮やかで印象に残っていた。

ヨレヨレのアル・パチーノがいぶし銀の演技。そして鼻持ちならない役のキャメロン・ディアスのキュートさが際立った一作。

ラグビーワールドカップの影響で観た「インビクタス」に続き、スポーツもので手に汗握った。

エニイ ギブン サンデー [DVD]

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「おっさんずラブ - in the sky -」

ファンの熱と(局の)ビジネスの意向と相まって、なんだか無理やりみたいに、でもやっぱり!のシーズン2が11月から始まる。

主人公、春田創一と黒澤武蔵のヒロインを据え置き、職場の設定は不動産会社から航空会社へと、うまいことシフトしている。そのほかのキャストは総入れ替え。

いいじゃない!

まさに、吉田鋼太郎さんが言ってた通り、ちょっと寅さんみたいな展開。(だからか、シーズン2への鋼太郎さんの張り切りがスチール写真から見て取れる!)

牧凌太のポジション(外見だけね)は千葉雄大、武川主任のポジションは戸次重幸といったところか。最近演技が高評価されているMEGUMIも出演するし、面白そうです。

 

前回の「おっさんずラブ」ファン、特に林遣都の牧凌太と春田の恋愛模様を応援していたファンや、林遣都自身のファンのがっかり度合いは相当みたいだけど。

何を隠そう、私も前作で牧凌太を演じる林遣都の魅力にはまり、彼のデビュー作から堀りに掘って出演作の数々を観てきた、にわか遣都ファンの一人。そんな私はいろいろな役の林遣都を観たいと思っている。彼本人もこれからも様々な役をドラマで、映画で、そして最近は舞台で挑戦することに貪欲だ。そんな遣都を応援したいと思っている。だから、シーズン2に出演しないことは大歓迎だった。

林遣都のことは来週月曜からの朝ドラ「スカーレット」で毎朝見られるし、ちょっと面白い役かもしれないし、すごく楽しみ!年末には舞台もあるしね。

で、「おっさんずラブ」シーズン2だけど、春田と武蔵のドタバタと進化するおっさんの恋愛模様をやっぱり応援するよ。

www.tv-asahi.co.jp

 

 

 

 

「インビクタス/負けざる者たち」(2010年)

ラグビー漬け。にわかファンにして、屈強な大男たちの肉弾戦に魅了されている。

ゲーム中、よく選手が一直線に並ぶシーンがあるが、ユニフォームが緑の芝に映えて美しい。タックルやつかみ合い、引っ張り合い何でもありゆえに、反則があるとすぐにセットプレーになりスクラムやラインアウトから始まる、争い(ぐちゃぐちゃ)を引きずらない清さとスピード感、抜け出てパスをしながら走る疾走感。トライが決まった時の歓喜。

9月20日に開催地日本での初戦「日本×ロシア」の観戦から始まり、まるで決勝戦のような「南アフリカ×ニュージーランド」戦も観た。

でもって金曜ロードショーの「インビクタス/負けざる者たち」。監督はクリント・イーストウッド。南アフリカ初の黒人大統領、ネルソン・マンデラをモーガン・フリーマン、南アフリカ代表”スプリングボクス”のキャプテンをマッド・デイモンと鉄板のキャストではないか!

 

実際のラグビーの試合シーンは最後の15分で、ネルソン・マンデラの黒人と白人の心を一つにして建国しようとする、そのためにスポーツ→ラグビー→ワールドカップという大舞台を利用した話。

国を代表して戦うスポーツは国民を一つにし、勝てば彼らに歓喜・笑顔をもたらす。あれっ、どこかで聞いた言葉だと思ったら、「いだてん」でロサンゼルス、ベルリンで水泳チーム率いた田畑政治(阿部サダヲ)が言っていた言葉ではないか。そして、つい先週観たベルリンオリンピックの回では、奇しくもヒトラーがナチス率いるドイツのすばらしさを盛大にPRし、成功をおさめた。

政治PRにオリンピックを利用することについて、「いだてん」では否定的に描かれていたが、この1995年の南アフリカでのラグビーワールドカップでのそれは、この国が白人と黒人が1つのチームになって善き方向へ変わることを世界に知らしめた正しい使われ方だったと思う。

 

実話に基づいた話を、ここで泣けとばかりにデフォルメすることなく描き切った点が、(さすが!)クリント・イーストウッド。私が泣きそうになったのは、マンデラが黒人初の大統領として執務室に入った日、それまで白人の大統領の元で働いてきた白人官僚たちに対して語った時だ。静かに、しかし国を変えるというゆるぎない責任感がにじみ出た言葉にジーンときた。

ラグビー映画と思ってみたらちょっと違う。マット・デイモン扮するキャプテンが、マンデラが30年近く囚われていた独房を見学した後「30年にわたり絶望を味わされた相手をなぜ許すことができるのか、考えていた」というようなことを言っていのが印象的だった。

”INVIVTUS”とは「屈服しない、征服されない」という意味。ネルソン・マンデラの不屈の精神を支えたのは、”我が魂を制するのは我なり”というウィリアム・アーネスト・ヘンリーの「INVICTUS」という詩の一節。不屈の者こそが勝った時、高邁な理想の実現のために復讐や報復をする時間はない。”赦す”度量はそのために必須なのだ。そう言えば、映画の中でも何度もその言葉が出てきたような気がする。 

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「ルパンの娘」-2

最終回を残して今さらだけど、泥棒一家の祖母役、どんぐりの娘時代を深キョンが演じるのは無理があるだろうっ!顔面は身を隠すために整形したということになっているが、身長まで削ったんかいな?!

設定の無理さは、劇中でさえ深キョンのつぶやきで指摘されてきたけど、ここまでくるとはなあ。

Lの一族を執拗に追いかける黒幕の動機があまりに薄っぺらそうで(最終回でさらに驚愕の事実が出てこない限り)、言いたくはないがストーリー、脚本がお粗末過ぎる。

 

また、どんぐりの変装の一つで、白塗り、白いワンピースドレス姿が、”横浜メリーさん”を彷彿させ、いい印象というよりは伝説の遊女を茶化しているようで、本物と何回も遭遇したことのある私としてはいただけない。

それでもここまで見てきたから最終回は見るよ、もちろん。