イチローが、今年はもう選手としてゲームに出ることはなくなった。
マリナーズの会長付特別補佐として、選手のメンター的立場で練習をこれまで通り行い、試合にも帯同するという。会見でのイチローは淡々としていた。インタビューのスタイルも以前と変わらない。しかし、「引退」という言葉と行為をあくまで避けた、今回の異例で破格の契約に、驚きと感謝の気持ちが滲んでいたと思う。
イチローみたいな、その道一筋のスポーツ選手のことを考えていて、ふと思い浮かんだ曲がある。最近よく聴く菅田将暉のアルバム「PLAY」の中にある「スプリンター」(
作詞・作曲:秋田ひろむ(amazarashi))だ。その歌詞の一部が、まさに今のイチローの心境なのではないかと思った。こよなく野球を愛し、野球選手でいることを選び続ける男の。
以下「スプリンター」より歌詞抜粋
「:
誰のせいか 誰のお陰かなんて 答え合わせはどうせ死ぬとき
フィニッシュラインの後も人生は続くように 終わって 始まって 終わって 始まって
「泣きたい時は泣いたらいいよ」なんて 決して言わない口が裂けても
こらえるべきだ その悔しさは 君を泣かせるに値しない
:
走り続けた距離だけ 諦めなかった分だけ 理由は増えてった 終われない理由が
「もう少し あと少し」でここまで来た これからもだ スプリンター
「もう駄目だ」って繰り返した これからもだ スプリンター
:
終わってたまるか どんな悔しさも 夢を終わらすには値しない」
この曲、スポーツ選手に関わらず、私には人生の応援歌のように聞こえる。やるべきことがあるのに気分が乗らない朝でも、自分を奮い立たせてくれる気がする。