ドラマを見たというよりは、映画を観た後のような余韻が残った。
第3話、高橋源一郎と余貴美子をゲストに迎えた、時間をかけて育まれた大人のラブストーリー。(やはりこれはラブストーリーなのではないだろうか。)
年月を語る映像の、高橋源一郎のアップの表情と猫背の背中に、諜報活動の殺伐さではなく、一人の女性を見守る優しい目線とその何でもない日常に癒される男の安らぎが見てとれる。柔らかい映像も美しかった。
ラストはスパイものにありがちな緊張感と悲劇的な展開。余貴美子は煙草が本当に似合う女優さん。今回はゲストの俳優二人が主役として際立っていて、菅田山田は狂言回し的に二人の秘密を明らかにしていく。
いやあ、思いがけずいいものを観た。優しい余韻に浸れた金曜の夜。