予告編から何度も繰り返された、柊先生が(菅田将暉)が、屋上から身を投げるシーン。最終回であの見投げが成就せず、事件終了後、柊先生が余命宣告通り1年生き長らえたことが私にとってこのドラマの最も評価できた点だった。つまり言いたいことだけ言い放って、余命僅かでやけになって起こした事件でもなければ、ましてや自死するわけでもないということ。
教師が生徒を人質に立て籠った事件の動機は、世間、というかネットに投稿する人びとへ一石を投じること。カメラを通してTV画面に向かって怒り、叫び、諭す先生の心には、覚った人の祈りと僅かな希望が見えた。さすが!菅田将暉。
武智先生(田辺誠一)を操っていた大物の政治家がどこへ行ったのか、先生は友だちの自殺の現場にいて助けられなかったさくら(永野芽郁)のことをいつの時点で知って、その心を救う計画は最初からあったのか。こんなにも計画通りに進むものなのか。私が絶賛した椎名桔平の郡司刑事はあまりに無力過ぎないか。などなど、振り返れば突っ込みたくなる点は多々あるけれど、ドラマ全体を通じてあそこまでストレートに伝えたいことをぶつけられると、世間のネット民も受け止めるしかないのではあるまいか。
学園ドラマとしては櫻井翔君の「さきに生まれただけの僕」のほうが、同じ説教にしても中年の心には響いたけど、まあ比べる必要はないし、「3A」は若い人達がたくさん見たらしいから、これはこれで成功なのでしょう。
ほとんど出突っ張りの出演者の皆さん、お疲れ様でした!