はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「万引き家族」(2018年)

第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを獲得した本作。

改めて是枝裕和監督という人は、子どもの撮り方が凄いなあと思う。「誰も知らない」で柳楽優弥に史上最年少の主演男優賞を取らせた手腕だ。

子どもの表情はもちろんのこと、立つ様、後ろ姿、細い肩…。切り取ったそれらで、子どもの儚さと強さ、純真さとしたたかさ、守るべき者、捨てなければこちらが殺られそうな危うさ、全てを語らせてしまう。

恐るべき子どもたち。

本作の大人たちは、子どもに何かを与えるというよりは、子どものお陰で自分の存在を肯定できているような、そんな感じで存在している。

そして、子どもには未来がある、そう感じさせてくれる終わり方だった。

 

おばあちゃん(樹木希林)の年金を頼りに集まった全く血縁関係のない5人家族。物語のほとんどは貧しいながらも一人で生きるより、そして食べるために小ずるい犯罪に手を染めてでも身を寄せ合って生きる彼らの日常が淡々と描かれる。学校に行っていない長男(城桧吏)は万引きの腕を磨き、長女(松岡菜優)も高校に行かずに風俗で小遣いを稼いでいる。

しかし、おばあちゃんが亡くなったことや周囲の環境、子供の成長など、通常家族に起こりうる小さいな変化がきっかけで、彼らの綱渡りの生活は破綻してしまう。後半は、彼らの本当の正体が暴かれていくわけだが・・。

この家族を見て、誰も彼らのことを悪く言えないんじゃないかな。もちろん、そうした生き方、やり方が正しいわけはなく、子どもは学校に通わすべきだし、子どもに万引きや車上荒らしをやらすべきではない。しかし、弱い心と心が共鳴しあって生きることに必死でいた結果だとしたら、彼らに重い罪は課せられないのではないか・・。

 

それにしても、流石カンヌの常連是枝組。メインの俳優さんも素晴らしいけれど、ほんの一瞬、そして台詞すらあるんだかないんだかのチョイ役で、池松壮亮や山田裕貴。最後に謎解きする刑事役に、高良健吾、池脇千鶴と主役級の俳優が端役で登場しているのには驚いた。

ちなみに本作では、安藤サクラが日本アカデミー賞、最優秀主演女優賞を、樹木希林が最優秀助演女優賞を送られているほか、数多の賞レースで書ききれないほどの賞を受賞している。確かにそれだけの評価に価する作品だと思う。

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