はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「ピンポン」(2002年)

当時話題になっていたのに観ていなかった。友人が「ピンポン」の窪塚洋介は、ホントに素晴らしい!と絶讚していたので、今さらだけど観ることに。

 

いやあ、改めて私は観るべき映画の多くを見損なっていると痛感。窪塚を筆頭に、ARATA(井浦新)、中村獅童という当時はフレッシュな顔ぶれの上に脚本はクドカン!

面白くない訳がない。

鑑賞後、出演者、原作、原作との違いなど知りたかったのでググったところ、2016年のexiteニュースで、ペンネーム(?)死亡遊戯こと中溝康隆さんが書いた「漫画原作映像化の常識を変えた!映画『ピンポン』の偉大な功績」という記事にぶちあたった。

中溝氏は、邦画よりも洋画のほうが人気が高かった当時、本作が邦画の”暗さ”(マイナー感)を葬った!功績があると書いている。(詳しくは前述のタイトルからリンク先をどうぞ)

2002年と言えば洋画ではトビー・マグワイアの「スパイダーマン」が大ヒットした年で、映画館では「スパイダーマン」の吹替版と字幕版が半々くらいに上映されていたと思う。小学生くらいの子供も楽しめる洋画(ディズニー映画はあったけど)、ファミリームービー、また映画ファンでない若者が分かりやすい吹替版を観るデートムービーが、日本の映画業界で地位を得たのだ。若者にとっては、邦画・洋画というよりは”わかりやすさ””気軽さ”というのがポイントだったのだろう、ちょうどシネコンチェーンが全国に出店を加速し、地方でもショッピングモールに行けば映画館があるという現象、映画館での映画鑑賞がもはや都会人の娯楽ではない、地方の若者にも身近なデートアイテムとして再び台頭してきた時期だといえる。

さらに掘っていくと、2002年は邦画VS洋画の興行収入の割合で、邦画が底を打った年だそうだ。(詳しくはnippon.comサイトの記事、石山眞一郎氏による「邦画が洋画を逆転、日本映画市場に起きた”異変”」をどうぞ)そしてこの年以来、邦画は徐々に勢いを盛り返してくる。そしてついに2012年、映画館の興行収入において邦画が洋画を上回った。(前述石山氏の記事より)

「ピンポン」に関する記事を読んでいて、少し作品から脱線してしまったが、2002年という年は、映画業界にとってはちょっとしたマイルストーンだったわけだ。(余談だが2001年には記憶に新しい大ヒット作品「君の名は。」をもってして超えられない、300億円超の興行収入記録を持つ「千と千尋の神隠し」が公開されている。)

 

そんな年に当時若手として人気絶頂だった窪塚洋介、モデルとして活躍していたARATAを迎えて放った「ピンポン」。

前述の中溝氏によると、主人公二人、ペコ(窪塚洋介)とスマイル(ARATA)は、容姿、人物ともに原作漫画に激寄せしているそうだ。

撮影当時22、3歳の窪塚洋介の細くてポキポキした手足。全身で繰り出される、卓球を打ち合う迫力が劇画っぽくて興奮する。

あのオカッパ頭で、ジャンプして曲がった足の角度!表情、喋り方、体全てが、生意気で風変わりな卓球の天才を表していて素晴らしかった。何よりも真剣な表情をした時の黒目の深さと、睫毛の長さがちょっと神がかっていて美しかった。あー、なぜこの俳優をマークしていなかったか!自分のバカバカ。

 

一方のARATAは当時28歳ぐらいで、10歳以上若い高校生を演っている。笑わないからスマイルとペコにあだ名をつけられ、表情に乏しい役なのだが、女の子みたいな透明感があって、そのぼんやりと所在なげにただ佇む姿にも思わす引き込まれる。今でこそ、1番手の脇で光る存在としてよく出ているが、—そう!「宮本から君へ」の蒼井優の元彼役の井浦新の、優男にして性悪ぶりにはやられた!― こんな時代もあったのね。当たり前だけど。

とそこまで考えが及んで、はたと気づく。

本作でこんなに達者にペコを演じた窪塚洋介は、現在40歳だけど、どうしてる???テレビドラマに出なくなって久しいし、映画でもあまり見ない。私が今知る限りだと、マーチン・スコセッシ監督の「沈黙ーサイレンスー」で観たのが最後だぞ。

(あの窪塚も秀逸だった。「沈黙」の感想はこちらです。)

時々、インスタで家族の写真や俳優仲間(小栗旬とか)と写っている彼を見かけるが、今何して食ってんだ?Wikiで観ると、レゲエ歌手の肩書もあって、まあマルチに才能がある人なんだろうけど。

あれから更に表現者として豊かになっているだろう窪塚洋介を、映像作品で観たいなあ。と強く強く思った次第です。

とりあえず「GO」は観なきゃね。

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