2014年に放送された作品が、コロナウイルスの影響で新作ドラマが撮影できず再放送されている。
バカリズム脚本、竹野内豊が主演のタクシー運転手。毎回登場するゲストの、間違った人生の選択を、選択した時間まで巻き戻してやり直させてくれる素敵なタクシーだ。毎回のゲストが、今となっては相当活躍している俳優陣の駆け出しの頃、あるいは出始めた頃のことが多く、フレッシュな彼らを見るのも楽しい。
先週の第4話、勝地亮の回の脚本は、ほんと秀逸だった。昔読んだ星新一のショートショートストーリーを彷彿するようなストーリー展開だった。
過去に戻ってその時の選択をやり直すのだけれど、そうそう簡単に思う通りには物事は運ばない。したがって、変な展開になればまた、もう少し前にもどったりして、もう一度やり直してみる。結果何度も同じシーンを見る羽目になるのだけれど、うまく運ばない展開が劇場っぽくて(つまり結構な大事に展開する)こちらも(ゲストと)一緒になってドキドキする。
過去を選択し直し、人生をやり直したい人たちの話を静かに聞き、そっと別の選択肢を選ぶチャンスを提供する主人公の枝分(竹野内豊)のとぼけた感じもいい。竹野内豊のカッコ良さは全くもって封印され、彼の低音のいい声だけが耳に残る。(といってもほぼカッコいいセリフはないのだけれど。)
この4月からのドラマが放送延期になって残念ではあるが、おかげでこんな面白いドラマに巡り合えた。次回は、吉田羊がゲスト。すごい楽しみ。