久喜は東日本大震災の年に、みかん農園をしているブリーダーさんの犬舎で生まれた。
本当は黒いトイプードルの雌が生まれたというので見に行ったのだが、久喜の姉にあたる黒のその子は、歯のかみ合わせが悪いといわれた。それでその子より一回り小さい茶色(毛色としてはアプリコット)の弟のほうを譲ってもらうことにした。
我が家にとっては初めての犬。一人娘の誕生日プレゼントという名目で買ったのだが、要は私と娘が熱望したのだ。譲り受ける時、ブリーダーさんから言われた2点をよく覚えている。
子どものために買っても子どもは世話をしませんから、お母さんが気に入ったのを買ったほうがいいですよ。
トリミングが大変と思うなら、自分で刈ればいいんですよ。
私はそのアドバイスに従った。
久喜のことをブログに書こうと思ったは、このコロナ禍で四六時中一緒にいて、(とにかく私についてくる。相当眠い時、私が洗い物をしている、お風呂に入っているなど、やっていることがいつもと同じことなら安心して自分のネジロにいるのだが、ルーティーンでないことをやっていると、好奇心もあって必ずそばにいるのだ。)ふと、彼が年をとったと感じたからだ。
ボール遊びをしたい時はボールを持ってくるし、散歩も長くいっても喜んで歩くけれど、ボール遊びの時間は短くなった。そしてブロンドでつやつやだった耳の毛が薄くなったことに気づいた。
トイプードルの寿命は15年前後と聞いている。10歳を過ぎたら老犬だそうだ。久喜は老犬ではないけれど、トイプードルに多い皮膚の老廃物がたまったデキモノも出てきたし(一つは巨大化している!)耳や目のアレルギー症状も出てきた。コロナ禍で家にいて、1日3回、目薬を差してあげられるようになった。朝晩のお口のケアも欠かさない。(シューっと口臭予防と歯垢軽減のスプレーをしている。)
一緒に過ごしたこれまでの9年間弱より、こらからの数年間のほうが短いことに思い当たる度にビクッとする。(そう書いただけで涙がにじむ。)
そこで、久喜との日々をブログに残しておきたいと思ったのだ。