突然足に冷たいものがツンと触る、これは久喜の鼻面だ。いつの間にか近づいてきて、「ここに居ますけど」と言う感じでちょんと触る。
新幹線ではキャリーバックを私の席の横に置いていた。久喜はキャリーバックの中で足を伸ばして、温かい肉球を座っている私の足に押し付けてきた。ちょっと触れていたいのです、って感じ。キャリーバックに押し込められて移動し、大変だった久喜の安心のよりどころのようだった。
家の中では、久喜を避けたつもりで歩くけれど、時々ふわふわのしっぽに足がかすることがある。柔らかいふんわりしたものが、足をなでる。
久喜の頭に顔を押し付けた時、久喜の耳の部分は少しひんやりしている。
寝ている久喜の肉球は温かく、活発に動いている時の肉球は少し冷たい。
久喜の胸の匂いを時々嗅ぐけれど、胸は毛も柔らかくふんわりと温かい。
いろいろな久喜の体の部分に触れるけれど、どれも愛おしい。