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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「GIRI/HAJI (DUTY/SHAME)」Netflixドラマ:Season2がキャンセルですと?!

東京のヤクザの抗争とロンドンのマフィアが牛耳る裏社会を、チンピラの勇人(窪塚洋介)が媒介したことで、どんどん話が複雑かつ大ごとになっていく。
勇人の兄で刑事の健三(平岳大)は、以前東京で弟の過ちの尻拭いをし、今度はロンドンで殺人を犯した彼を捕まえるべくかの地に飛ぶ。

健三の弟への義理:弟だから庇い、救い、悔い改めさせる、という兄としての一念のせいで、健三本人も犯罪に手を染めることになる。「俺たちは悪いことをしているが、悪い人間じゃない」という健三だが、人殺しは人殺しだろっと突っ込みたくなる。

 ダークでエッジの効いた映像、物語のかいつまんだおさらいをイラスト漫画で表現したり、クライムドラマなのに終盤のあるシーンでは、登場人物の感情表現を躍りのスローモーションで描くなど、攻めに攻めた演出。無言でミュージカルのような表現を要求された役者さんたち、大変だろうなーなんて大きなお世話、老婆心でみてしまった。

 

それにしても、窪塚洋介と言う俳優は何歳になっても、青臭い、マチュアでない人間が似合うよなあとつくづく思った。40歳を過ぎていてあの線の細さとちゃらさ(見た目の)、繊細さと優柔不断な様子。そして穢れなき目。

一方、平岳大の流暢な英語には驚いた。チェックすると彼はアメリカの大学を卒業していた。今更でもないが平幹二郎と佐久間良子の息子、超サラブレッドだけれど俳優業を志したのが結構遅いようで代表作というものがあまり見当たらない。しかし出演作品は数多。林遣都がらみで知っているのだけでも「悪の教典」:遣都と深い仲で、ゆえにハ
スミン( 伊藤英明)に嵌められる可哀そうな美術教師役。舞台「フェードル」では今回林遣都が演ったイッポリットの役を2017年の初演で演じている。
本作ではヤンチャと言うにはメチャクチャすぎる弟のせいでどんどん追い詰められていき、その上自由奔放な娘にも振り回され、妻にも愛想をつかされているという、なんだか同情するしかない中年男を演じている。苦悩と怒りと多くの後悔、それでも心の底には優しさと正義がある複雑な人物を、英語を駆使しながら演っているところがすごい。

 

最近、窪塚どーしてる?と検索して知った本作、高い評価を得るもシーズン1の全8話で終了とのこと。まだまだ事件は解決していないのにシーズン2の製作はキャンセルされた。

たぶん物語の中にいろいろな要素を盛り込み過ぎ、複雑奇怪で視聴者もしんどかったのではないか。兄弟の追いかけっこ自体がなかなか進展しないし、見ていてもどこで(見るのを)辞めるべきなのかわからない。で、だらだらとどーなるん?て見ていたら、8話でキーパーソンのモッくん(本木雅弘)が殺され、勇人(窪塚)は日本に残した妻子に会えないまま。健三(平)とイギリスの女性警官セーラとの大人の恋はどうなるんだ?と次の展開に大いに疑問を残したまま、ぶちっとシーズン1が終わった。

平岳大、窪塚洋介も良かったけれど、本作で見つけた男娼ロドリー役のウィル・シャープの好演が光った。もともと偏見でイギリス人俳優って好きなのだけれど(だって、シェークスピアを生んだ国だよ!)ますます確信をもっていいなーと感じた。イギリスの灰色の空に象徴される湿ったダークな風景と、ゲイの青年の残酷と繊細さと、どこかで自棄している様、そしてなんといってもキュートだった。