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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「ゆれる」(2006年):近くて遠い兄弟、そして深い

英語には「sibling」という言葉がある。男女の区別をつけない兄弟・姉妹・兄妹・・・を表現する言葉だ。sibling に相当する日本語が見あたらないので「兄弟」と書くが、ここでは姉妹や兄妹なども含んでいる。

 

本作を観て、兄弟ほど幼い頃と大人になってからの関係性が大きく変化するケースが多いものもないのではないか、と改めて気づかされた。
幼い頃は、遅く生まれた者は、早く生まれた者を年長であるというだけで慕い、憧れと尊敬、ちょっとした競争心で追いかけた。そして早く生まれた者は、小さいゆえに面倒を見なければならない、年長者ゆえの割に合わないという羨望を持ちながらも下の者を可愛がった人が多いはずだ。
しかしいつ頃からか、お互いはお互いの日常から姿を消すことになる。たまに会う、あるいは会話する程度の存在になり、それぞれに家族ができると、まるで同じ家に育った者同士とは思えないほど思考や食べ物の好みさえ変わってくる。

 

母親の一周忌で実家に戻った弟(オダギリジョー)が、兄(香川照之)と幼馴染(真木よう子)と3人で渓谷を訪れ、幼馴染が吊り橋から転落死する。その時橋の上に一緒にいた兄に殺人の容疑がかけられ、最初は兄を救おうと奔走する弟だが・・・。
田舎を出て都会で写真家として成功した弟と、田舎で実家の商売を継ぎ父親と二人で暮らす兄の関係性は、兄の無罪を証明するはずの裁判が進むにつれて思ってもみなかった方向に進む。

 

いやぁ、深い。深かった ―

自分が子どもの頃から思っていた気の優しい誠実な兄の顔は、裁判が進む中で違った面を見せてくる。そして兄との関係性において(意図していないにしても)いつも”当たりくじ”を引いてきた弟の調子いいずるさが、弟自身の眼前に晒されていく。

オダギリジョーのまさに”ゆれる”心の表現が、こちらの心に刺さって痛い。
そして、香川照之の”顔芸”なしの演技が本当に素晴らしい。「半沢直樹」シリーズで顔芸と名台詞でインパクトを与えすぎて、もう”顔芸俳優”みたいな感じになっちゃったけれど、この人、本当はこんなに抑えた自然で味わい深い表現をするんだと改めて思った。ラストシーンの泣いたような笑ったような表情が脳裏に焼き付いた。

 

この作品を見なければ、兄弟の遅く生まれてきた方として、私は早く生まれた方の人のことを、これまでとは違う視点で慮ることはできなかったと思う。家族の中で子として兄弟の中で絶対的な上の者の視点、背負ったものの重さ。人によってはそんなも平気でどこかに棄てるのかもしれないけれど、もしかして真面目に誠実にそれらを背負ってしまったとしたら、、、。そんなことに気づいたからには、(棄てられなかった)背負ったものに関して軽々しい言葉をかけることはできなくなった。背負ったもの、降ろしてください、と言いたいのは山々なのだけれど。

 

公開中の西川美和監督の「すばらしき世界」を鑑賞する前に、彼女の作品で以前から”観なければリスト”に入っていた本作をやっと観ることができた。(やっぱりこの人イケメンです、ときっぱり言えるカッコいいオダジョーも拝めました!)

いやはや、兄弟を持つ人は、思わずわが身を振り返るのではないだろうか。 

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