友人の奨めで見たNHKの「ズームバック×オチアイ」。
現在放送されているのは「大回復 グレートリカバリー」シリーズ。
第1回の「言葉論」の終盤で、アメリカで時の人となっているAmanda Gorman(バイデン大統領の就任式で詩を朗読した、ハーバード大学出身の詩人。女性・黒人、2つのマイノリティの視点で活動家としても注目を浴びている)と日本の詩人、茨木のり子が紹介された。
詩は読み解いたり感じとったりするには、個々人の力量によるところが大きいと思うが、わりとサクッと読めるのも事実。早速、茨木のり子の詩集を手にしてみた。(Amanda Gormanはインタグラムをフォロー中。)
恥ずかしながら、茨木のり子という詩人を私は知らなかった。「金八先生」で彼女の詩がいくつか授業として、あるいは話のテーマを表現するものとして引用されたらしいが、いかんせん「金八先生」をほぼ見ていない。
図書館で手に取った「おんなのことば」という詩集の冒頭にあった詩「自分の感受性くらい」という詩は今の私を叱咤激励してくれているようでブログに記しておこうと思う。
以下「おんなのことば」より転載させていただきます。
「自分の感受性くらい」
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
思わず、声に出してよんだ。
彼女が生きたのは戦前、戦中、戦後だけれど、今を生きる私たちに、ハッとするような気付きをくれる詩がこの他にもたくさんあった。大地の営みや季節の移ろい、そして人間の営みを詩っていて、彼女の思想の大きさと深さ、人間への愛を感じた。
今日の午前中は朗読しながら「おんなのことば」を読み終えた。
最近、何かに焦って、勝手に時間い追われて、やってもやってもやった気がしなくて、一人空回りしていた気がするけれど、久しぶりに豊かな時間を過ごせた気がした。
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