< script data-ad-client="ca-pub-5086079268044038" async src="https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js">

はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「GO」(2001年):究極の細マッチョ、窪塚洋介降臨!

その年の日本アカデミー賞ほか映画賞を総なめした、行定勲監督、宮藤官九郎脚本の本作。最優秀主演男優賞:窪塚洋介、最優秀助演女優賞:柴咲コウは、同時に新人俳優賞もダブル受賞している。(ああ、何で今まで観なかったん?? 自分!)

全編通してものすごい疾走感。究極の細マッチョが超カッコいい!身体能力が抜群と思われる窪塚洋介の、全身から弾け出るようなパワーに圧倒された。
でもこんなに豊かな俳優としての資質を持っておきながら、俳優1本ではやっていかない、本人の志向や環境の変化があるものなのねえ、と窪塚洋介を見るとつくづく感じる。

 

在日朝鮮人として民族学校に通っていた杉原(窪塚洋介)は、日本の高校に進学するが、そこでは”在日”と呼ばれ差別される。ある時、差別のいじめを暴力で蹴散らしてから、学校では怖い者知らずとなった。腕っぷしの強さは元プロボクサーの父親(山崎努)ゆずり。この山崎努の父親と大竹しのぶの母親夫婦も、なかなかの曲者で面白い。(何よりも大竹しのぶが図太いおばちゃんの役なのに、顔が超可愛い!!)
在日として生きるすべと、息子のまだ見ぬ未来は明るいもの、自分たちとは違う時代になることを願う父親が、圧倒的暴力を通して息子を教育する様がすさまじく、男盛りの山崎努の放つ一撃が強烈で、熱くて痛い。(山崎努も日本アカデミー賞、最優秀助演男優賞受賞)

しかし、本作は主人公杉原の恋愛の物語だ。劇中、本人のモノローグで2回もそのことを言っている。マドンナは桜井(柴咲コウ)、日本のエリートサラリーマン一家の娘。リベラリストに振舞う父親の元で育つも、中国人や韓国人と付き合ってはだめだと幼い頃から言いつけられてきた。杉原は自分の国籍を告げないまま桜井と付き合うが、二人の仲が深くなるタイミングでそのことを告げると桜井に拒まれてしまう。「父が中国や韓国の人間は血が汚いと言った・・・だから怖い」と。

もうねえ、笑うしかなくて、その場から立ち去る杉原。夜の銀座の外れで職質を受け、彼女にフラれたことや自分が在日であることなどを巡査に話すが、職質した若い巡査(萩原聖人)は、在日外国人が「外国人登録証明書」を携帯していないと逮捕されるということすら知らなかった。
厳然とある在日韓国人や朝鮮人に対する差別。そして実は細かいところで、どうしてそうなっているのか、だから具体的にどういう不自由が彼らにあるのか、身近にいるはずの彼らの仔細を知らずして、漠然と周りの大人から引き継がれる差別の感情を漠然と持って育った私たち。巡査はそんな私たちを象徴する。

本作は、真正面から在日韓国人・朝鮮人への差別を彼らの視点からさらけ出した意欲作。差別への怒りや悲しみを全面に打ち出すのではなく、それらを突き破って進む若い雄の様が爽快だ。
民族学校の友達で新井浩文、山本太郎が好演。(特に新井。本当にどんな作品にもちょろりと顔を出していて、出過ぎず、作品に絶妙な具合で馴染んで画面に厚みをだす俳優。ほんと、彼が正真正銘更生して映画界に復活してくれたらなーと思う。)

公開から実に20年経って鑑賞したわけだけれど、クドカン脚本作品としても必見。行定監督の役者ありきの演出も流石◎。(勝手な判断だけれど)

 

GO [DVD]

GO [DVD]

  • 発売日: 2011/11/01
  • メディア: DVD
 

 

[http://
映画評論・レビューランキング:title]

 

[http://にほんブログ村 映画ブログ おすすめ映画へ
にほんブログ村:title]