「ピンクとグレー」（2016年）：イケメン枠でない菅田将暉の演技が光る

ジャニーズのNEWSのメンバー、加藤シゲアキの処女小説の映画化。オチがいまいちって感じだったが、そこはサラリと流し話の流れを面白くするべく映画は工夫されていたような気がする。監督は行定勲監督。奇しくも先日ブログに書いた「GO」の監督でもある。

実は「GO」のほうが後から観た作品で、本作「ピンクとグレー」を観た時、私が観た中での行定作品の今のところのベストかな、と思ったくらい前半から後半への展開に驚かされ、ちょっとワクワクした。
出演する俳優、中島裕翔（Hey！Say！JUMP）、菅田将暉、夏帆は、2役を演じている。その2役を見事に演じ分けているという点で（まあ、性格が真反対に違うと役という設定も手伝っていると思うが）流石の菅田、夏帆。
また、中島裕翔はジャニーズのタレントでいて濡れ場もこなしていて、チャレンジャー。後半登場する柳楽優弥は無駄遣いと感じたけれど、多くを語らずして存在感と物語を語る説得力があるということで彼がキャスティングされたのかしらん？

いずれにしても、原作も話題性があり、キャスティングも含め話題先行って感じの映画かなと感じてしまったけれど、それでも菅田将暉の、若者の焦燥と嫉妬心、性格がいいだけに苦しむ様が秀逸。イケメン枠でない菅田の演技は本当に素晴らしい。
そして、行定監督の俳優ありきの演出にも頭が下がる。（個人の視点での感想です）