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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「恋する寄生虫」- 3:具体的なシーンのこと書いてますので、なんなら鑑賞後お読みください。

前半の二人(高坂=林遣都、佐薙=小松菜奈)は、まるでイケていない。

視線恐怖症で人と交われない故に厭世的で、自分が近いうち死ぬことに(たぶん)憧れをもっているような女子高生の佐薙。どこか具合が悪いのは確かで、しょっちゅう鼻血が出る。彼女の面倒をみるよう、半ば脅迫されて一緒に過ごすことになる高坂。こちらも常軌を逸した潔癖症のため、佐薙の一挙手一投足が受け入れられず、死にそうになりながら彼女に付き合っている。

高坂は潔癖のあまり、自分の頭で生みだす周囲の不潔に圧倒され、泥水を被ったり、吐いたり、ぶっ倒れたりと忙しいことこの上ない。本人は深刻そのものだけれど、その多くの現象が、彼の頭の中で描かれている恐怖であり、それが描けない他人にとっては奇異で可笑しい言動にしか見えない。そういうのを、林遣都がうまく演っているよなあ、と改めて思う。
高坂は孤独で暗くて、ひねくれていて、クリスマスに恋人たちが不幸になることを画策しているダークな男だけれど、なぜか憎むというより、包んであげたいと思わせる人物になっていた。

 

高坂と佐薙、ぎこちないやり取りから始まった二人の関係だけれど、距離を縮めていく過程で2回キスシーンがある。それがものすごく印象的で、記憶に残る。

1回目のマスク越しのキスは、確か高坂はマスク外していたと思うのだけれど、佐薙は高坂を思って、マスクをかけてあげてそっと顔を近づけるのだ。前後の脈絡をはっきり覚えていなくて、もう一度観たいのだけれど、とにかく、ものすごく優しくて柔らかい感じがして、とても素敵だった!(宣伝用の場面写真になるはずだわ)

2回目は、物語の後半クライマックス。(ラストもクライマックスなんだけれどね)

佐薙の心からの叫びが切なくて、愛おしくて、思わずぎゅーーと抱きしめて、ぎゅーっとキスするのよ。人の肌に触ることなんてできないはずだった高坂が!このシーンの佐薙の感情爆発を受け止める高坂、林遣都の佇まいがやっぱり良くて、このシーンももう一度、いやもう100回くらい観たいくらい。

と、鑑賞後、ずっと映画のシーン反芻しているものだから、それこそ脈絡ない文章になってしまい申し訳ないけれど、とにかく、とにかく!私にとっては本当にインパクトのあった作品だった。

願わくば、林遣都、小松菜奈のファン以外の方も、できるだけ多くの方に本作を観てほしいと思う。主演二人の演技も素晴らしいし、映像、音楽ともに美しい。

 

 

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