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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」(2021年):How beautiful it was!

Earth, Wind &Fireをこよなく愛す友人が「もう何回も観ちゃった。早く観ないと劇場公開終わっちゃうよ」と珍しく熱く勧めてくれた本作。残念ながら身近な映画館での上映は終わっていて、ほどなくWOWOWで放送されたので早速鑑賞。

 

音楽通ではない私でさえ聞いたことのある、伝説のフェス「ウッドストック」が開催された1969年の夏、ニューヨーク州、ハーレムのマウント・モリス・パークで「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」は開催された。6月末から8月にかけて計6回、日曜の午後に無料で開催されたブラック・ミュージックとブラック・カルチャーを祝うフェスは、合計30万人以上が参加したそうだ。(Wikipedia参照)

しかし、フェスを記録した膨大な映像は、今日まで50年間、日の目を見ることはなかった。1969年はアポロ11号が月面に着陸し、ベトナム戦争中のアメリカは、国民の戦争疲れや不満を月面着陸の歓喜で紛らせ、一方で奴隷解放宣言から100年を経ても差別され続けている黒人たちは、前年にキング牧師を失い、ドラッグと貧困にあえぎ暴発寸前だった。

映画では、その夏、ハーレムの黒人だちの不満をどうにか逸らそうと、この黒人音楽と文化の祭典にニューヨーク市が許可だけでなく協賛もしたと伝えていた。

 

参加アーティストは、当時のミュージックシーンの最先端を担っていた面々だったが、正直私が知っていたのはスティービー・ワンダーくらいだ。たけど耳にした曲はいくつかあり「マイ・ガール」もその一つ、元テンプテーションズのボーカルが歌うのを初めて聴いた、見た。

映画はアーティストのパフォーマンスを映しながら、出演アーティストやフェスを体験した観客のインタビュー、時代背景を織り込み、このフェスの当時の意義、そして今この時代にこのフェスの存在を公にする意義を投げ掛けている。

ブラックミュージックや、カルチャーを称え、団結して理不尽な状況から脱却するために闘おうと力強く高らかに歌い上げる黒人アーティストたち。

その歌声、歌詞は、黒人差別についてほとんど他人事でしかない、ファーイースト、島国日本に住む私にさえも、彼らの積年の怒りとして腹の底に届く。そして「Black is Beautiful」を満場で共有し、自信や誇りを持つことが戦い方の一つであることを教えてくれる。

映画のラストで、観客だった人がフェスを締めくくった言葉「How Beautiful it was.」が、いつまでも頭に残った。

 

今、SDGSが人類のテーマになっているが、多様性を包容するなら、まずは知ることから始めなければならない。肌の色や四肢などの見た目の違いから始まって、考え方や性志向の違いなど、知らないことが偏見に繋がると思う。

その意味で本作は、イカシタ当時のブラックミュージックにのせて、近代の黒人差別の闘いの歴史を垣間見せてくれる。

今こそ多くの人に観て欲しい作品だ。

searchlightpictures.jp

 

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