この記事のタイトルの副題通り、そしてドラマのタイトル通り、これはミステリー(敢えて”ー”)ではないから。
前回は、連続殺人犯人は誰?バスジャックの目的は?と、推測してワクワクしたけれ、オチ(犯人判明)があまりにあっさりで、しかもサイコパスときたら、もう同情やそれ以上の考察もないわけで・・。
しかし、毎回登場するゲストたちが演じる登場人物の過去や抱える闇、悲しさ、そんなものを、異常な観察眼と考察力、膨大な知識でもって詳らかに解説する主人公、整(ととのう)=菅田将暉のしゃべくりと、それを浴びるゲスト俳優の演技の妙がすばらしく!毎回楽しみにして見てしまう。
初回の遠藤憲一の泣きの演技も良かった。今さら、エンケンさんに言うのも失礼だけれど、彼が号泣するのってそんなにお目にかかったことなかったからね。
そして、まるで別人の金髪瑛太の不気味さ、そして今回の柄本佑の色気。そう、結構なヤサグレ具合の、こ汚い様子の犯人にして、随所で感じるその色気はどうよ。
本作の、ちょっとセピアがかったフィルムのようなざらっとした画質が、佑の黒い瞳が放つ色気をより際立たせたように思う。
ストーリー自体は毎回、犯行の動機に説得力がないというか、そんな理由?と思うし、そこに至る推理ときたら、ほぼ整の頭の中で完結して、私のような鈍な視聴者が、考察する余地もない。しかし、整によって犯行に至る動機が、整理、解説されるうちに、犯人および巻き込まれる周囲の人々の心も整理され、なぜか癒されていく気がする。
時々挟まれる、整自身の暗い過去のシーン。事件解決を通じて周りを癒していくだけでなく、本人も何かをきっかけに癒されていくのだろうなと、整、菅田将暉の整ったポーカーフェイスと、もじゃもじゃ頭、とぼけた物言いに当分釘付けになりそうだ。
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