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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~」:刑事ドラマというよりは、サイファイ・クライムドラマとして面白い!

本作も!ディーン・フジオカの使い方を間違っていないと、見進めていくごと納得&満足している。

おディーンが主演だからというよりも、岸井ゆきのとW主演という動機のほうが大きくて視聴開始。

初回では、本物のAI搭載ロボットが出演し、しかもAIが殺人を犯すという奇抜なアイデア。「おっさんずラブ」で死ぬほど拝んだ”ちず”役の内田理央が、AIの研究者で登場し、切なく悲しい顛末だった。AIという人工的で人肌のぬくもりがないものを相手にしているのに、しっとりとした、人の優しさを感じられるいい話だった。

それは良かったのだが、相変わらず何をどうやってもディーン・フジオカ(小比類巻 科学犯罪対策室 室長)の徹底した能面ぶりに、一瞬どうしようかと思ったのも事実。逆に自然な演技をするユースケ・サンタマリア(長谷部捜査官)が最初不自然に見えた。
岸井ゆきの(最上博士)まで、変わり者の天才科学者ということで、作りすぎないで!と願ったが、さすが彼女の演技プランに間違いはない。若くして天才と呼ばれた女性の、おっさんたちを相手にした堂々たる物言い、論理的思考故の感情にあまり左右されない様子もグッド。

毎回、少しオカルトっぽい、通常の事件や事故ではありえない現象・事件が起きて、小比類巻(ディーン)率いる科学犯罪対策室が科学で謎を解いていく展開は、クライムサスペンスというよりサイファイものとして、ほかの刑事ドラマとは明らかに違っていて面白い。

そして小比類巻の、科学を信じ、科学に希望を託す科学への異常な執着は、亡くなった妻を冷凍保存していつか(科学の力で)蘇らせるという野望(妄想?)故であることも初回から明らかになっている。その妄想ともとれる野望を持つ限り、小比類巻自身も、もはや科学の可能性(=希望)にとらわれたマッド博士と同じ領域にいることがわかる。
ディーンの能面の奥に隠された、悲しみと狂気がわかりやすく描かれているのも、この際オッケーだ。小比類巻という人間のレイヤーの深さを魅せるよりは、オカルト・サイファイ・スリラーの数々を見せてくれるほうが、本ドラマの主旨にあっている。

小比類巻がその復活を渇望している亡くなった妻、亜美に本仮屋ユイカ。彼女も「愛しい嘘」で林遣都と共演していたせいで、私にとっては応援する女優さんになっている。
亜美の聡明な感じと愛する人の子どもを身ごも女性の幸福感、やわらかい笑顔がとてもいいなと思った。

 

サイファイ・オカルト現象による事件・事故と、並走して存在するクライムの大黒幕であろう、安藤政信(カール・カーン)率いるボディハッカージャパンに関する謎解きも興味深いし、何よりも、小比類巻がどのように妻の死と蘇りの妄想から解放されるのか、後半の展開が楽しみだ。

おディーン、頑張ってドラマをけん引して!(やっぱり応援させていただいています)

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