このシリーズ、毎回見るたびに素晴らしいと本当に思う。
映像の美しさだけでなく、音楽も美しい。
ドラマの中に、京都の美しさや京都人のこだわり、食を紹介するミニ料理番組まで挟み盛沢山だ。ドラマの筋を真剣に追っていると、箸休めみたいな小休止がはいる感じで、集中が途切れると思われるかもしれないが、逆にその小休止が登場人物たちに時間が流れ、彼らが成長し変化していることを教えてくれる。
彼らの心の変化をそんなに細かく説明しないから、俳優の力量も問われるというものだが、本作に出演しているすべての俳優さんたち、本当にうまい。本作で好きになった毎熊さん(鋭二)とか、趣里さん(葉菜)とか。そして最終回では、吉岡里帆さん(釉子)、すごく良かったです。(実は演技している吉岡さんを初めていいと思った作品です)
庭師(幸太郎=林遣都)、京野菜農家(鋭二=毎熊克哉)、パン職人(葉菜=趣里)、陶芸家(釉子=吉岡里帆)、板前(甚=矢本悠馬)たちが、それぞれの師匠から旅経つ桜の門出。これまでは厳しい顔をした師匠たちだったが、今回は静かで優しい表情が印象的だった。特に幸太郎の師匠の庭師の清兵衛(石橋蓮司)。石橋蓮司と言えば、強面でヤクザの親分や黒幕の印象が強いけれど、本作の最終回では本当に優しい顔をしていて、これまでと印象ががらっと変わってしったほど。
葉菜と染物職人の父親(上杉祥三)、葉菜とパン屋の師匠(甲本雅裕)のやり取り。
寡黙だけど優しく誠実な鋭二の佇まい、師匠のタエさん(江波杏子)への想い。
釉子と陶芸家の巨匠(!)の父親(本田博太郎)とのコミカルなやり取り。(本田博太郎がロボットみたいな動きで、釉子と掛け合うシーンはめちゃくちゃ面白かった!)
板長(岡田浩暉)の甚への愛情、そして甚が想いを寄せる女将(高岡早紀)の孤高の美しさと粋。
こうして挙げてシーンを反芻していると、俳優さんたちの表情や佇まいが脳裏にはっきりと描かれ、同時にすべての登場人物を愛おしく思う。
前作までちょっとマイペースでお調子者、優柔不断なところがある印象だった幸太郎の成長も目覚ましい。師匠とのやりとりも、以前にあった”ちゃかちゃか”した感じや、薄っぺらい感じが吹っ飛んでいて、庭の木々や花々を観察し、思慮深く世話をしている様子が伝わってくる。遣都の落ち着いた演技が好きだなー、と改めて思った。
そして、なんとも素敵な予定調和なエンディングだこと!
皆まで言いませんが、もう本当にこちらもハッピーで大満足。もう1回、いや定期的に見直したい作品だ。
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