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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「すばらしき世界」(2020年):ただただ、役所広司=三上という男に圧倒される

鑑賞後、日を追うごとに本作の主人公、三上(役所広司)を、私は実際に知っているのではないか、という不思議な感覚の中にいる。スーパーで、通りで、近所のアパートの前で、彼を見かけていない?
映画を見て、その中の登場人物に自分が会ったことがあるという感覚に陥ったのは初めてだ。
それほど、役所広司の演じる三上という男にはリアリティがあったということか。もしくは、どうしようもなく忘れられないキャラクターだったのだろうか。

 

殺人を犯し13年の刑期を終えて出所した三上は、14歳で少年院に入って以来、人生のほとんどを刑務所で過ごした。博多弁でしゃべる純朴な印象の男は心優しい面もあるが、怒りに火がついた途端、衝動を止めることができない。日本刀で襲ってきた相手を正当防衛にしては過ぎる、滅多刺しして返り討ちするほどなのだ。そしてそのことを全く反省していない。突然襲ってきたから正当防衛で刺した、以上終わり。
キレた彼が暴力を振るっている時、それはそれはイキイキとしている。

 

出所後の三上を保護する弁護士夫婦(橋爪功・梶芽衣子)や相談所の役人(北村有起哉)、最初三上を万引き犯と間違えたスーパーの店長(六角精児)、殺人犯が苦労しながらも更生し、まっとうに生きていく様をドキュメンタリーで追おうとするテレビ制作会社スタッフ(仲野太賀)、三上にかかわった人たちは、三上の純粋さと狂気に触れれば触れるほど、彼をなんとかこのシャバで生かしたくなってくる。
瞬間湯沸かし器のような暴れ者ではあるが、一切妥協なしの正義感によって暴力を振るう三上。そして、自分を捨てた母親を恨むよりも、会いたいと慕っている。弱い者に示す優しさや何かが心の琴線に触れ、突然泣き出してしまう純粋さ、そんな三上に放っておけない魅力を感じてしまったのだろう。

シャバのルールの厳しさ、前科者としての生きにくさを乗り越えながら、三上の物語はハッピーエンドに向かっているように思えたのだが・・。

 

「すばらしき世界」とは何を指すのだろう。

道を外した人間が、戻ってこようとする世間の厳しさや非情のことを皮肉を込めて言っているか?
それとも、そんな世間にも、彼のことを受け入れ救いの手を差し伸べようとする人たちがいる事実に、世の中捨てたもんじゃないという、本当の「すばらしき世界」のことを指すのだろうか。

 

先ほど、書いた「ハッピーエンドに向かっているように思えたのだが・・。」について、あえてここで訂正しよう。ハッピーエンドだったと思う。

かつて愛した女との再会の約束、その前にはこの世界で生きていくための”堪える”力を得たこと。自分を曲げて”堪えたこと”への諦めと、弱い者に対する憐憫で涙したこと。それらは三上がこの”すばらしき世界”で生きていく、大切な1歩ずつだったはずだ。

三上が手にしたコスモスの花の色だけが、鮮やかなままだった。

 

最期に、仲野太賀。今まで見た太賀で一番カッコいいと思った。役柄とかではなく見た目がです。

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