藤井風の歌詞には、時々「神様」という言葉が出てくる。それで最初、彼はキリスト教徒なのかなと思ったことがあった。若干二十歳そこそこの若者が、あんなふうに優しく、許し、包み、人を癒すような言葉が紡げるのが大いに謎だったこともあり、当初彼の楽曲をむさぼるように聴いたし、彼に纏わる記事もググって読んだ。そしてついに「MUSICA」のロングインタビューで、彼が父親の影響を大きく受けていることがわかった。
彼のファーストアルバムのタイトルにもなっている、"HELP EVER HURT NEVER"の高邁な発想も父親譲りの座右の銘とのことだったが、セカンドアルバムの”LOVE ALL SERVE ALL”も含め、これらの言葉がサイババの教えてあるということが最近になって広く知られるようになった。同時に今までなかったネガティブな藤井風に関する記事を目にするようになった。(私が目にしたのは、こちらの「女子Spa!」の記事)
彼の言葉だと思って聴いていたのに、サイババのパクリだったのかとがっかりした人って、やっぱりいるのだろうか・・?逆に私は、彼のスピリチュアルな部分の謎が解けてスッキリしたけれどな。
彼の言う"あなた"とは、だいたいが自分の中にいるhigher self のことらしいことは、いくつかのインタビュー記事を読む中で理解していた。なりたい自分、あるべき自分、元々ある善良な自分をいつも見つめていて、それが現実の自分に語りかけたり、逆に現実の自分が、higher rselfに語りかけたりしている。higher selfの考え方もサイババ信仰からくるものだとしたら、よりホンモノだろうし、自ら悟ったと考えるよりも逆に納得できた。
騒ぎを大きくしたのは、宗教二世(たぶん問題となっている統一教会?)のファンによる、彼の作る楽曲はサイババ信仰の”ステルス布教”ではないかと言う問題提起らしい。しかし、藤井風のファンになってサイババを信仰するようになった人がどのくらいいるのだろうか。
ところで私は、去年秋に出た「grace」をひとしきり聴いた後しばらく風を聴いていなかった。TBSドラマで結成されたBLOOMに一時夢中だったこともあるが、紅白の藤井風のパフォーマンスが前衛的すぎて、お腹いっぱいになったこともある。(「死ぬのがいいわ」はとても好きな曲だけど!)
しかし、しかし、このサイババ騒動で、藤井風のルーツに少し触れ、彼の言葉の謎が解け、もう一度ファーストアルバム、セカンドアルバムと何度か聴いたけれど、やっぱりいいものはいい!癒され、大切な人を想い涙し、勇気をもらえる。あの歌声、メロディは”天からの才能”=ギフトのだと思う。
そして彼の楽曲から届くのは、もっと自由に、自分を信じて、他人を愛して生きようというメッセージに他ならない。同時にまだまだ悩む若者の姿(=風)もそこにあるし、それをさらけ出しながら、理想の自分に近づくべくもがく姿も、やっぱりまぶしく美しいとも思う。
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