< script data-ad-client="ca-pub-5086079268044038" async src="https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js">

はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

”おとんの” Perfect Days:(自分の父親の良いところだけを反芻して)

雨は降っていなかったが、梅雨らしい湿度の高い日。父が車のクーラーをつけていて、ほっとした。先月は猛暑にもかかわらず、クーラーはないと言って窓全開で父の運転する車に乗ったのだ。

月1回、実家に帰省した時、私は89歳の父が運転する車に乗って母に会いに行く。(私や姉には運転させない)これまで何回か父に運転免許証を返納するよう説得を試みたり、どうしたら返納させられるか警察に相談したりしたこともある。しかし、父は頑固に運転を諦めることはなかった。

この1年、父の運転は前よりは随分慎重になった。対向車や自転車、人が歩いていると、止まって行き過ぎるのを待っていたりする。時々、ハンドルさばきが怖いと思うこともあるけれど、いつも、なんとか病院まで往復できている。

父の運転を黙認している以上、その車に乗らないのは、道路を走るほかの車に対して無責任な気がして、私は父の車に決死の覚悟で乗るようにしている。

 

さて、父がエンジンをかけると、いつもお気に入りの演歌歌手の歌が流れる。
私は父が運転に集中できるよう、だまって運転席の後ろに座り、シートベルトを締める。

今回、ふと演歌を聴きながら、まるで映画「PERFECT DAYS」の平山みたいだと思った。

毎日母のいる病院に15分の面会のために、片道15分ほどかけて通う父。
家に帰れば一人で庭の菜園の野菜の面倒をみて、てなづけた野良猫に餌を与える。

部屋はきれいに片付いているし、台所の鍋や食器の位置は決まっている。

炊事をし、洗濯をし、テレビの歌番組を見て就寝。毎日規則正しい生活だ。

母を自宅で介護していた頃より、確かに寂しい思いはあるのだろうが、心と体に余裕ができたのも事実で、父は以前より元気に見える時すらある。
いつ逝ってしまうかわからない母の病室に通いながらも、父の晩年の中でこの1年くらいは”Perfect days”なのかもしれないと思った。自分のやり方で、自分の足で立って生きている。そういうお年寄りは世の中にたくさんいると思うけれど、父の暮らしぶりを見ていると、奇跡のように思える。

今回も実家の仏壇にお線香をあげながら、両親が穏やかに人生を全うできますよう祈ってきた。

 

映画「PERFECT DAYS」の感想はこちら

www.mitsumame.work

www.mitsumame.work