亡くなった水季(古川琴音)がシングルマザーとして娘の海(泉谷星奈)を育てた6年間、水季の両親(大竹しのぶ・利重剛)よりも職場の同僚の津野(池松壮亮)たちが、母子をサポートしていたことがわかった。海が今でもずっと会いたがる”津野くん”は、海にとっては親戚の叔父さん?遊び友達?そして時々パパ?的な存在だったのだと思う。そして、津野たちも、水季の死とともに母子が突然身の回りから消えたことに沈んだままだった。そこには、緩い関係ながらも疑似家族の姿があったのかもしれない。
主人公の夏(目黒連)の家族は、連れ子同士の再婚で4人家族。思春期の兄弟は奇跡的に仲良く育ったようだし、少なくとも表面的には幸せな様子。一方夏の彼女の弥生(有村架純)は、母親の愛情をあまり感じられずに育ったようで両親とうまくいっていない。
その二人が、突然現れた夏の子ども海(泉谷星奈)の親になろうとしていて、周囲もそのことを反対していない。周囲の理解のよさにはびっくりしてしまうけれど、どうやら夏は、今後、周囲の人たちの隠された思いや子育ての大変さを少しずつ知ることになりそうだ。
夏(目黒連)はテッパンに優しい人物ではあるが、てきぱきと物事を勧めない、自分の考えをはっきり言わないなど優柔不断に見える。この男、目黒連の見た目だから許されるのでは??と毎回思ってしまう。
いつも逡巡する夏を半ばあきらめ顔で、そこが彼の良いところと言葉を飲み込む弥生が気の毒だけれど、弥生本人も自身が抱える子どもへの思いをきっと自分の中で昇華できていない。
話が深刻、暗すぎて月曜から見られない・・と脱落した人が多いと聞く。
なかなか大きな進展はないけれど、丁寧な登場人物の心情の描き方は、脚本家生方美久の持ち味だ。
個人的には、水季の母親役の大竹しのぶが一喜一憂する細かい感情の動きが、すっと心に入り込み、共感すること多々。
4話でモチーフになった「母子手帳」のくだりでは、長年見ていなかった娘とのそれを自分でも開いてみたりして・・。予想外に挟まれてあった私の母が孫に宛てた手紙と、娘が私に宛てた手紙を発見し、読んで思わず落涙。(内容はそんなにエモーショナルなものでもないけれど、母が元気だった時の手書きの文字。しかも孫が読めるように全部ひらがな。娘の鏡文字を含む幼い文字・・当時の思い出と今の思いが一瞬で交差した)
登場人物の心情を丁寧に描くことで、視聴者にも様々な感情を呼び起こさせてくれる、やはり素敵なドラマだと思う。
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