終盤2、3話は、コロナ後の新たな感染症の蔓延でまごころ病院はまさに戦場のようだった。そしてそれはさながらコロナ禍の社会情勢の復習と、コロナ禍で露呈した医療体制の不都合な諸々の再確認のようだった。
結局、ヨーコ(小池栄子)が日本の医師免許なしで治療に当たっていたことがバレ、逮捕。ついでに院長(柄本明)も逮捕され、はずき(平岩紙)は、父親と妹が同時に逮捕されたことで破談に。
それでも、新宿に流れ着いた外国人やホストたち、そしてはずきや享(仲野太賀)たちから、連行されるヨーコに感謝いっぱいの言葉が投げかけられた。
目の前の命を救う。ただそれだけに集中したヨーコの生き方は、とてもシンプルで気持ちいい。その代わり、恋愛や人間関係の機微については全く頓着ない。サバサバしていて熱くて、岡山弁と英語をごちゃ混ぜにしゃべるヨーコをパワフルかつキャートに演じた小池栄子は流石だった。彼女だから出せるあっけらかんとした勢いが確かにあったと思う。
コメディ作品としては、やはり評価されるべきは、高畑淳子とドランクの塚地武雅の存在だった。
塚地はトランスジェンダーの看護師を演じたが、セリフ自体が面白いわけではないのに、見た目と何気ない一言で緊迫したシーンでの一服の清涼剤になっていた。
また、高畑淳子はドラマ開始早々から、全力でお笑い部分を担当しており、この年齢の女優でこれだけ面白くできる人っているかしら?と思ったくらいだ。
クドカンの風刺が存分に詰まったドラマ。
新宿歌舞伎町という、日本の歓楽街に集まるマイノリティ、ダイバーシティな人々へ注がれる優しさが、ウィットとともに垣間見られて大満足だった。
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