恋人、弥生(有村架純)とも別れ、海(泉谷星奈)と二人生きていくことに集中するあまり、過去は振り返らないとばかりに、海に母親の水季(古川琴音)が亡くなっていないということを言い聞かせがちになった夏(目黒蓮)。
母との思い出までも失くしそうで、たまらず海は小田原の祖父母、そして津野(池松壮亮)の元に逃げてしまう。
その海の気持ちを代弁したのは、津野であり、弥生であることも何とも皮肉だけれど、いっぱいいっぱいの夏を責めることはできないよねえ。
海の気持ちを理解した夏は海と仲直りし、また二人の生活にもどるわけだが・・。
突然の休日出勤になった夏は、二人きりで頑張るより人に頼ろうと、よりによって津野に海をみてもらうことに。
津野君、どこまで人がいいんだ!母子を助けた後は、父子まで面倒みるのかよ!!!
そして海からも弥生に誘いがあり、連絡を受けた夏の弟、大和(木戸大聖)も夏のアパートへ。別れた恋人と、その前に別れた恋人を慕う男、そして腹違いの弟が夏のアパートに集合。
みんな、海と夏の突然親子になった二人を応援しているってか!このシーンにほっこり、なんて丸め込まれてはいけません。二人が幸せなことは、誰かが大きくても小さくても、何かを我慢していたりするのだ。
弥生は楽しかったっていうけれど、津野はどうせ暇だからっていうけれど。そして二人とも海という大層可愛らしい、愛おしい女の子に会いたいのは本心だと思うけれど、心中複雑よ、きっと。人間だもの。
だけど、こういうところも含めて描いたのが本作なんだなと思う。
予定調和のハッピーエンドではなかった。
でも、人が生きていく以上、誰かを傷つけずに生きることはまずないということ。それでも人は、自分と自分のほんの半径1メートルくらいにいる人の幸せを求め続けるべきだということ。そしてたとえ傷ついたとしても、誰かと過ごした時間は、その人の生きる糧になるということ。
今回も、水季の母親(大竹しのぶ)や、夏の母親(西田尚美)が、心がへこんだ子どもに食べ物を差し出すシーンでぐっときた。自分も同じようなことをよくしているからだ。母親というものはそういうものだ。気の利いた言葉やアドバイスができなくても、子どもがお腹を空かしていないかが気にかかり、頼まれてもいないのにちょっと手を伸ばせそうな食べ物を用意したりしている。
目黒蓮は、役を全うするのに精神的にきつかったと思う。
しかし、いいドラマだった。
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