日吉の歯医者に通い初めてまだ1年にも満たない。ホワイトニングと、痛くないクリーニングを求めて歯医者を探し通い始めたのだが、正解だった。
日吉は結婚する前に住んでいた。
30代前半、当時の私は仕事と部屋を往復するだけの生活を送っていた。日当たりの悪い、でもほとんど家にいないからいいかと決めた1Kの部屋で、まさに寝るために帰るという生活だった。
あれから20年ほど経って、久しぶりに浜銀通りや普通部通りを歩き、あまりの様変わりに驚いた。1回目に歩いた時は、好きだった文房具屋が無くなり、代わりにセブンイレブンになっていたこと、派手なゲームセンターができ、ラーメン屋が増え、全体的に猥雑な雰囲気に圧倒された。私が住んでいた頃はもう少し"品"があったような気がしたのだが。1番衝撃的だったのは、住んでいたアパートが跡形もなく消えていたこと。サンロードを下って左折し右手にあったはずだが、どこを左折しても見当たらない。
サンロードの途中にあったカウンターだけのカレー屋ももちろん無かった。深夜に遅すぎる夕食をよく食べに行った。オヤジはどうしただろう?
今回、歯医者が終わってランチをどうしようと思い、2回目の散策をしてみた。
やはり、アパートがあったと思われる辺りの様子は記憶のかけらさえ一致しなかった。
一人ランチできそうな、小さくて気の効いた値段と内容のお店もあったけれど、どうも一人で入る気にならず、馴染みのミスタードーナツで済ますことにした。家人にもドーナツを買って帰れる。
土曜のミスドは空いていた。
ポン・デ・リングと惣菜ドーナツ、カフェオレを注文して2階へ。書類に向かう30代の男性やPCに向かう女性など、長居しても良さそうな雰囲気だ。今度は、ノートを持参して私も書き物をしよう、そう思っていたところへ、ものすごーい古い曲が流れてきた。ロッド・スチュアート!自分でも、よくその名前がでてきたよなあと感心。その後、スティービー・ワンダーの同時代の歌。学生時代によく聴いた曲たちだ。80年代後半?懐かしすぎて、一挙に当時住んでいた大阪のぼろアパートの風景が浮かんできた。
ひやあ、とにかく歯医者が終わっての日吉での数時間は、昔の思い出がドンドコ溢れでた。
しかし、今回の散策でちょっといいレストランも見つけた。アジアン・カフェには今度友達を誘おうか、家人を誘おうと思える肉屋(レストランね)もあった。
日吉が、また身近な街になりそうな予感がした。