実は、江戸時代の遊郭吉原の在り様になれるのに、少し時間がかかった。
女性を売り買いするところが吉原で、亡八(=儒教でいう八つの徳:仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌を失くした、女郎でメシを食っている置き屋や茶屋の商人たち)たちの儲け至上主義、強欲の塊みたいな面構えや台詞にちょっと引いてしまった。(眉毛なしの安達祐実、こえー)主人公の蔦重(横浜流星)その人も、吉原を盛り上げようと東奔西走しているのだが、結局それは女の性をどんどん売る!ってことだからね、、と。
いや、そこでひっかかったら物語に入り込めない。とりあえず、やたらイキのいい蔦重がアイデアを駆使して、しきたりや困難に立ち向かう様を気持ちよく見てきた。そしてようやっと江戸・吉原を活写している本作にも慣れてきた。
さて、今回は初回から登場している蔦重の幼馴染の花魁、花の井役の小芝風花について。第8回で、初めてこの役をやっている小芝を良いと思った。
蔦重と自分の二人で奮闘して吉原を盛り上げようとものすごく頑張った結果、吉原が活気づき周りの協力者も増え二人だけの奮闘でなくなってきた寂しさ。幸せになってほしいと言われ、幸せにしてやるとは言われなかった悲しさ。
つらいねえ、花の井、と密かに蔦重を慕う彼女の胸の内を想像して泣きそうになったけれど、そこは花の井、こちらがメソメソする前に持ち前の勝気と潔さでその場を立ち去った。私は蔦重のばかばかばかーと心の中で叫ぶのみ。
実は本作が始まった当初、小芝風花の童顔と私の中にあるこれまでの彼女のイメージのせいで、気風のいい男前の花魁、花の井に違和感を時々感じていたのだが、ここにきて花の井のキャラクターや吉原での立場、蔦重との関係性を理解するにつれ、私の中でしっくりとハマってきた感じだ。
特に、前回だったかもしれないけれど、蔦重の「吉原細見」(ガイドブック)の目玉コンテンツとして、松葉家の花魁名として継承者がいなかった「瀬川」を花の井が襲名することなどを二人で話し合っていた時、蔦重の言葉に「あいよ」と返事をしたその返事がしびれるほど良かったのだ。低い声で短く「あいよ」。しかしそれが花の井という女のすべてを物語っていたような気がした。
次回は、その花の井改め瀬川が、いよいよ盲目の大富豪、烏山検校(市川隼人)に身請けされる話。市川隼人も大河ドラマによく出演するが、なんだか毎回同じ”圧”と(時代が違うのに)同じ出で立ちだなあと見て思ってしまうけれど・・。
でも楽しみ!盲者が幕府の手厚い庇護を受け、金貸し業などをして富を得ていたっていうのも知らなかった。瀬川の身請けにいくら使った??!
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