工場勤務をしながら、転売ヤーとしても日銭を稼いでいる吉井(菅田将暉)。工場長の社長の滝本(荒川良々)の熱心な管理職への勧めも断り、ある健康機器の転売で大儲けしたことで転売ヤー一本で生活することを決意する。工場を辞め、東京のアパートを引き払い、恋人の秋子(古川琴音)もついてきて、群馬で広い一軒家を、倉庫兼事務所兼自宅として借りて新しい生活を始める。
が、その頃から周囲では不穏なことが起こり始める。
転売ヤーとして、安く仕入れて高く売る。時にはブランド品と錯覚させて、外国製のバッグを高額で売りさばく。コツコツ”真面目に”転売ヤーの仕事をこなす吉井によって、泣きを見た人間が少しずつ増え、ネット中で知らない者同士の”吉井殺す”みたいな集団が形成されることになる。吉井は恨みと憂さ晴らしのかっこうのターゲットとなっていた。
途中から、群馬で雇ったバイトの青年(奥平大兼)が、ただの田舎の若者らしからぬ、不穏な動きを見せる。しかし、その後吉井を助けるヒットマンになったりと、意外な展開に。恋人の秋子と吉井の二人にそれらしい情愛はそもそも感じられず、終盤の秋子のふるまいは予想できたけれども、秋子を失った時の吉井の涙には逆に驚いた。
観終わって反芻したはのは、吉井という男の在り様。
感情の起伏があまりなく、無意識に人を傷つけることにも鈍感。つまり、人にあまり興味や関心がないということだろう。えらく大変な状況でも、自分が売りに出した品物の値がどうなったか、売れたかどうかを気にしていた。
結局、地獄の入り口に立った吉井は、今後どうやって死ぬまで生きていくのだろうか。
バイト青年との関係に縛られること必須。ろくでもないと思われる吉井の未来を想像すらしたくない。
今放送している秋ドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」の熱い熱い演劇青年役が、なんだか大仰でtoo muchに見えて、舞台である80年代のバブル前の渋谷のカオスにもついていけていなかった。別の菅田将暉を観たいと思い録画していた本作を鑑賞したわけだけれど、こういう役を演じる菅田将暉が結構好きだな。
「キャラクター」の漫画家の役を演じた菅田を思い出した。
オマケ:「キャラクター」の感想はこちら
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