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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「国宝」:3時間、歌舞伎の世界を堪能できました

美貌と才能を持った者と、歌舞伎の名門の血筋を持つ御曹司。
二人の役者が女形として芸の道を究めていく中、一人は芸を究める以外は何も求めない=悪魔と取引をし、最後には人間国宝に上り詰めたというお話。(すみません、簡単にまとめちゃって)

美貌と才能を持った喜久雄を吉沢亮、歌舞伎の名門の御曹司、俊介を横浜流星。美しい顔の二人の俳優が、歌舞伎の女形を演じていることも必見だが、やはり、歌舞伎を滅多に観る機会のない私たちが、歌舞伎の舞台の裏側、厳しい梨園のしきたりや現実などを、喜久雄と俊介の成長も見守りながら、傍で体験しているかのような感覚で観られたことが、本作の最大の魅力だったような気がする。
もちろん、歌舞伎の世界の美しさも本作の見どころ。
観客席ではなく、役者が立つ舞台側から見る、光に揺れる娘役のかんざし。鮮やかな赤に映える金糸銀糸が美しい着物。陶器のような女形の肌。
俳優の踊りや動きは、その後にはっきりと線が描かれるように美しい。つくづく、歌舞伎は”線の芸術”だと思った。

そういう美しいものをたっぷり、どっぷり3時間。有名な歌舞伎の演目のハイライトシーンとともに映画の中で見せてくれるのだから、こんなに贅沢なことはない。

 

それにしても、本作には男同士の”友情”とか、女性への”愛情”は、一切描かれていなかったなあと思った。
喜久雄と俊介は、相手に己の姿を見ていたのだと思う。芸を追求する二人には、お互いが欲して手に入れらないものをそれぞれが持っていることで、消えることのない執着=絆がそこにある。
俊介が最後に演じた「曽根崎心中」のお初と、相手役、徳兵衛を演じた喜久雄の舞台シーンは泣けた。化粧がドロドロになって”ジョーカー”みたいになった俊介の執念と、それを支える喜久雄の強い思いが胸に迫った。

全編を通して吉沢亮、横浜流星の演技は本当に素晴らしかった。

 

女性への愛情が描かれていないと書いたが、登場する女性たちの、なんと影の薄いことか!高畑充希、森七菜、三上愛、実力も人気もある女優たちが、喜久雄の近くに”恋人”としていたのだけれど、まるで光の陰でひっそりと息をしているようだった。喜久雄に思いを寄せた女たちは、光(才能)の鋭さで傷つくことや、熱さで焼かれることを知っていたに違いない。だからこそ、べったりとはつかず、そして離れず、最後はそっと消えたような気がする。

はあ、なんという物語。
芸のためなら何でもありなのかっ。ええっ!

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