世紀の二枚目と称されたアラン・ドロンの出演作を観るのは、彼が今見ても比類なきイケメンだからだけではない。彼の演技が上手いことと、良作に当たるから。
本作も、アラン・ドロンが出演している以外何の予備知識もないまま、3時間に及ぶモノクロ映画を観始め、観終えた。
イタリア南部の貧しい一家が、父親の死をきっかけに、長男を頼ってミラノに出てくるところから始まる。
長男は、長男として家族の面倒を見なければという自覚はほぼなく、好きな女を手に入れて我が暮らしがなんとかなればいいと思っている。
次男は、腕力も血の気も多く、拳闘(ボクシング)で頭角を出し、ミラノで借家を追い出されそうになった一家を賞金で助けることになるが、出会った娼婦に入れあげ、徐々に身を崩していく。
そしてアラン・ドロンが演じる三男は、心優しく、次男と別れたと思った娼婦にひっかかり(と言ってもこちらの二人の仲はまじめで真剣なものだったのかもしれないのだが)、次男の嫉妬を買い、目の前で愛する女を次男に強姦される。なのに、兄を憎めない。兄が女にまだ執着していたと知らずに女と懇ろになった自分が悪いのだと、身を引くような”チキン”な男。
4男は、3人のふり幅のある兄たちを見て育ち、苦学の末アルファロメオの技師として堅実な道を手に入れる。
5男は、まだローティーン。時に次男の使い走りをさせられたりしながらも、兄たちを観察している。
以前、同僚が3人の子どもに恵まれた時、3人いれば一人くらいまともなのがいると思って・・・と言っていたことを思い出す。同じ親から生まれても、こうも性格・考え方が違うのか。ただ、5人ともマンマ=母親への愛情と服従だけは絶対的なものがある。
そして、母親の愛は海よりも深い。
それにしても、イタリア女性の罵詈雑言をまくし立てる様がすごかった。「テルマエ・ロマエ」の作家のヤマザキマリさんがイタリアでの生活で、言い争いの時にあらん限りの罵詈雑言を吐けるようになったと言っていたなあ。
三男のアラン・ドロンについて少しふれておくと、物語の始まりでは物静かで、所在なげな美しい顔以外は目立たない男だったのに、次男に変わってボクシングで稼ぐようになってから表情が鋭くなっていく。
ボクシングで初勝利をあげた時も、喜びではなく、相手に自分の中の別の憎しみをぶつけてしまったと言って涙を流すような心優しい男だった。
泣きじゃくり、殴り合い、ドロドロで傷だらけのアラン・ドロンを見たのは初めてだった。たぶん当時24~25歳。細かい表情の変化など、やはりうまいなあと思った。
チャンスがあれば是非観てみてください。
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