スティーヴン・スピルバーグ監督作品。2時間半にわたって、小さな感動と大きな感動が大波小波のように配置され、まんまとはまって久しぶりに大号泣した。もともと動物と人との絆を描いたり、動物が人の都合に翻弄させられような作品で弱いこともあり・・。
しかし、良くできたストーリーだった。
物語の展開にすべて伏線があり、それが上手に回収されている。
貧しい小作農の少年とサラブレッドの出会い。サラブレッドを農耕馬として調教した少年。
第一次世界大戦勃発。戦争に使役馬として売られる馬。戦地で馬が出会う数奇な運命。
そして、戦場で兵隊となった少年→青年と馬との再会。
クライマックスは、イギリス軍とドイツ軍がそれぞれの塹壕で対峙した戦場で、馬が戦車を飛び越えひたすら逃げるシーン。砲台を引かされへとへとに疲れているはずだが、速さとスタミナの両方を兼ね備えたその馬は、生きるために駆け抜ける。有刺鉄線もそのままなぎ倒し・・・。しかしなぎ倒して走り続けるには限界があり、有刺鉄線に絡まり、英独の間のバトルエリアで倒れてしまう。(そのシーンでもう大号泣。あの馬、どうやって撮影したんだろう、、と思いながら)
馬を助けるために両軍から有志が現れる。馬を助ける、という共通の目的のため、そこに銃声はない。ささやかなスモールトークと有刺鉄線を切る音の末、コイン・トスでどちらが馬を連れていくか決め、イギリス兵が連れて帰った。
ありがちな美談シーンではあるが、やっぱり良かった。
そして、馬は戦火を生き延びた奇跡の馬として語り継がれる。(その後も奇跡は続くのだけれど。)
馬の運命を巡りながら、戦争の理不尽さと非情が随所にちりばめられ、それらはよく太平洋戦争中の日本軍について描かれた作品の中で見てきたものだったけれど、ヨーロッパにおいても戦争という大義の元、似たようなことが行われていたのだと改めて知った。
突撃して逃げ帰る味方の兵士がいたら、撃ち殺せ。
食料は、駐屯近くの農家から調達(略奪)する。
戦争は、人から大切なものを奪うもの。
多くの馬や動物たちが戦争の犠牲になったこと。
そんな渦中においても、馬に対して情をちゃんとかけられる人。友を助けられる人。
卑怯な振る舞いができない人は確かに存在した。
馬の熱演とその物語に号泣したけれど、少したって反芻されるのは、たぶん戦争の現実と悲惨さだと思う。
世界のあちこちで右よりの考えが歓迎されている。そしてこの日本も、空気感としてはそんな気配を感じる。
NHKBSが、今年午年だから放送したのかなあ、なんて思いながら録画しておいた作品を今日観たのだが、衆院選投票日の前日、改めて戦争について考えさせられた。
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オマケ:こちらはロバのロードムービー「EO イーオー」の感想。こちらも、なんで?と思われるかもしれないが、私は大号泣してしまった作品。
人間の身勝手さと近くにいる動物たちの対比が何とも言えません。
