「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」「ドント・ルック・アップ」、最近(と言ってもかなり前だけれど)のレオナルド・ディカプリオのコメディアンぶりが大好きだ。本作の元革命家、今はドラッグ中毒で娘を過保護に育てているダメ親父のディカプリオも期待をはるかに超えて面白かった。
革命家をやめて娘、ウィラ(チェイス・インフィニティ)と静かに隠遁生活をしているボブ(レオナルド・ディカプリオ)だが、軍人、ロックジョー(ショーン・ペン)がボブが所属した革命グループを一掃しようとボブとウィラにも迫ってきた。
ウィラと離れ離れになり、ロックジョーの追っ手を交わしながらウィラを探すボブ。手に汗握るチェイス、バトルの連続なのだけれど、どうにもこうにもボブがカッコよくないのだ。そもそも、革命家を引退して17年。仲間との合言葉もおぼつかないボブの狼狽ぶりとキレ具合がハンパない。声を出して笑ちゃうほどだった。
ボブの置かれている状況こそ非日常なのだけれど、携帯の充電切れに真っ青になり、合言葉を執拗に聞いてくる仲間にキレル様は、まるでチャットボットの堂々巡りの回答を聞いて萎える日頃の私たちと通じるものがある。
革命家グループの活動を通じて、移民排斥、白人至上主義、女性蔑視・・・現代の矛盾が詰め込まれていた。ボブの同士であったウィラの母親、パーフィディア(テヤナ・テイラー)がそれらの矛盾を強烈にスクリーンに並べたように見えた。彼女はやることなすことすべてがこれまでの女性像を覆すような、もはや存在そのものがアナーキー。活動中に敵対したロックジョーに銃を突きつけ勃起しろと煽るシーンなど、これまで描かれた男女がことごとく逆転していた。どこまでも強く、生きるためにしたたかで、自分の信念のためには簡単に娘の育児を放棄する、とんでもない女性だけど確かに魅力的。その彼女に異常に性的に惹かれ続けるロックジョーをショーン・ペンがムキムキの上腕二頭筋で怪演。いやあ、ジジイになってもすごいわあ、と久しぶりに観たショーン・ペンに脱帽した。
ほかにも、絶妙のタイミングでボブを助ける空手の”センセイ”のベニチオ・デル・トロ(とぼけた感じが最高!)や、何と言っても本作のヒロインで超かわいかった(本作が映画初出演ですって!)ウィラ役のチェイス・インフィニティなど魅力的なキャストであふれていたわけだけれど、やはり、レオナルド・ディカプリオの娘への愛に溢れる元革命家がやっぱり愛すべきオヤジで最高だったなあ。
壮絶な”ワン・バトル・アフター・アナザー”を経験して、ボブとウィラの父娘の愛と絆がより深くなった、で最後は締めくくられた。(きっとボブは真実を知らない)
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