90分間、一瞬たりとも気が抜けなかった。
突然洪水が襲ってくる。
じわじわと水位が上がってきて丘も森の木々もすべて水の下に沈んでいき、いろいろなものが流れていく。
時に雨が降り続き水面は荒れ、嵐にもなるがそれよりも何よりも、ずっとひたすら流され続けることの不安。(地面に立っていることがいかに安心か思い知る)
一艘の舟に乗ることができ、相乗りしたものたちと流されながら、時に舟を離れ溺れそうになったり、食べ物を分けあったり・・・。収集癖のある癖ツヨのもの。鷹揚で呑気なもの。神がかったリーダーシップのあるもの。人懐っこくムードメーカーなもの。やがて彼らに仲間意識のようなものが芽生えるわけだがー。
上記、登場するのは全て人間ではなく猫やカピバラや犬である。そして彼らの鳴き声以外、人間の言葉は台詞もナレーションも一切ない。
圧倒される水の映像。
美しい白い鳥。
毛の1本1本まで緻密な、、、と真逆で、動物たちは水彩画で書かれたような姿なのだけれど、その陰影で筋肉の動きがわかり、デッザンのすばらしさでそのしなやかさと機敏性が伝わる。ある意味ものすごくリアルだった。
鑑賞中ずっとドキドキハラハラしていた。
前半は主人公の猫が洪水になってからずっと食べ物を食べていないことが不安で仕方なかった。体力を消耗して死んでしまうのではないか?
後半は、危険な時に猫を導いてくれ、ピンチの時に助けてくれた白い鳥と別れた後、猫は、そして仲間とはどうなるのか。
生きることへの本能と、そばにいる体温のあるものとともに。
とにかく生き抜くこと。
なんだかドラマチックな映画の感想みたいになったけれど、映画はわりと淡々としてます。それだけにいろいろ考える余地があるのかも。
あー、猫を飼いたくなったなあ。
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