東日本大震災から10年が経過した南三陸の漁師町の空き家に、東京からお試し移住してきた釣り好きのサラリーマンと、町の人々との交流。
時はコロナ禍真っただ中。東京から三陸に来た西尾(菅田将暉)と、町の空き家対策担当者で、空き家になった自分の家を貸した百香(井上真央)とのファーストコンタクトは最悪だったけれど面白かった。
東京から来た人間を、コロナウイルスを運んで来たとばかりに除菌スプレーを片手にディスタンスをとろうとする百香の様子に大うけ。
そうそう、確かにコロナの感染者数がうなぎ上りだった頃は、移動もままならず実家に帰っても病院に面会も行けなかったっけ。新幹線もガラガラだったなあと、今となっては当時が懐かしい。
震災から10年が経っても家族を亡くした人の喪失感は消えない。
一歩を踏み出せずにいる百香と、百香をマドンナとして見守り続ける4人の地元男子、ケン(竹原ピストル)、山城(山本浩司)、平畑(好井まさお)、タケ(三宅健)。そこへ、百香の空き家に西尾が越してきたものだから、あらぬ噂や勘違いの嫉妬も起こりひと騒動。
料理人のケン役の竹原ピストルがめちゃくちゃいい。風貌からして佐藤次郎っぽい可笑しさがあるのだが、佐藤次郎の計算づくの笑いに対して、竹原のは彼の持ち味でやっていて、そんな不器用な兄ちゃんがいそうでリアル。
眉毛のないヤンチャな三宅健も真骨頂。舞台で活躍しているのは知っていたが、いい俳優さんになったんだなあと感心ひとしきり。
予想に難くない展開で、西尾が百香に告白するシーンでは一緒にもらい泣きしてしまった。そして、西尾の「東北のことだって、どう接したらいいのかなんてわからない」という本音に対してケンの言葉も誠実で優しかった。
震災、過疎、空き家問題
魚、美味しい料理、ぶつぶつ交換、芋煮
現代日本の社会問題を描きながらも、自然と共に生き、食べること、人を思いやることの大切さを改めて噛みしめることができた。
百香の義理の父親で漁師の章男(中村雅俊)の老境のとぼけたユーモアと、彼が口ずさむ「サンセット・サンライズ」が、複雑な形のリアス海岸の美しい風景の中で耳に心地よかった。
最後に、料理人のケンが何度も言っていた「かおり松茸、味しめじ」をしっかり頭にインプット。早速本日の昼のナポリタンにしめじを投入した◎👍
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