パーツすべてが控え目に配置された、つるりんとした面(おもて)。
一見無表情に見えるのだけれど、喜怒哀楽はちゃんと伝わる。
色白で長い手足とスレンダーな高身長。
絶妙な間合いの関西弁。
ものすごい金持ちの家に生まれるも、家族の愛を知らずに育った衛(江口のりこ)。
何不自由のなさから、わがまま放題の子ども時代ではあったが、それでも真っすぐな正義感と聡明さを持った女性に育ち、起業家として電子書籍の会社を経営している。部下を思いやる心もあれば、社長として正しくあろう、逆境に負けまいという根性やガッツもある。そう、SUPER RICHでいけ好かない女かと思いきや、江口のりこ扮する衛は、とても魅力的な主人公だ。
そして冒頭に書いた通り、連ドラの主役を張るような女優とは違う、江口のりこの良さが、この主人公の性格、あり様をよりリアルなものにしていると思うのだ。
ドラマではお金持ちのお嬢さんは美人みたいに描かれがちだが、現実はさにあらずだし。お金に不自由なく育った人のシンプルな正義感って、貧乏ゆえのひねくれる要素がないから、清々しく納得できるところがあると思う。
一方の優(赤楚衛二)は、経営が傾きかけた工場を営む両親を持ち、いつもおカネの工面に腐心している。時々なぜ自分だけ?とひねくれそうにもなるけれど、愛情深い家に育ち、それこそガッツとチャンスをものにす大胆さも持っている。
そんな優が、世間知らずな一面があるのに、会社を守ろうと突飛な行動に出たり、髪を振り乱したりしながら奔走する衛に徐々に惹かれていく。
女性社長に、駆け出しの若造が惹かれる、また女性社長をサポートする男性社員(ここでは町田啓太扮する宮村の存在。会社存続の危機を乗り切るべく奮闘する社員。と、どこかで見た構図ではあるが、登場人物に魅力があり、そんなことはどうでもよくなる。何よりも、恋愛偏差値が低すぎる衛の、キュンキュンシーンをちゃぶ台返しする反応に、思わず笑える。そして、このリアクションこそ、江口ならではだと、恋愛コメディ(の要素あるよね?)を見ているはずなのに、思わずうなってしまうのだ。
この江口のリアクションを受ける赤楚衛二もなかなかだしね。
赤楚衛二のワンコの目にやられる女子は多かろう。
町田啓太の耐える男、身を引く男もカッコいい。(ちょっと出来過ぎているけどね)
今秋のドラマは、私にとっては魅力的なものが多く、珍しく何本も見ているのだが、この「SUPER RICH」と「最愛」が予想をはるかに超えて面白い!
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