はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「シャーロック」-2

前回本作について書いたくだり、

『「 「シャーロック」というタイトルは、皆が知っている古典をベースにしたミステリードラマですから安心して見てね、という、もはや免罪符でしかないような気がする。コンビが事件の謎を解くという設定しか一致してないもの。」というタイトルは、皆が知っている古典をベースにしたミステリードラマですから安心して見てね、という、もはや免罪符でしかないような気がする。コンビが事件の謎を解くという設定しか一致してないもの。』

を訂正しなくてはならない。

どうやら事件やちょっとした小物、ネーミング、設定など、原作「シャーロック・ホームズ」からきちんと拝借しているらしい。

「シャーロック・ホームズ」全作読んだつもりでいたけど、考えたら小学生の頃だ。しかも少年少女向けの学校の図書館にあった全集ってやつ。ホームズが解決した事件なんてもはや1つたりとも覚えていない。

ということで大変失礼しました。

 

オープニングの、タイトルをディーンが(こちらでは見ているテレビ)画面にサインみたいに書きちらすシーン、そしてそのタイミングで流れる曲が映像とぴったりで、ちょっとやりすぎくらいカッコいい。ディーンは主演ドラマのテーマソングを毎回作っているが、アテて作っている、しかも自分が主演だけに、解釈、思い入れも相当なものだろう、ぴたりとドラマの世界観にハメてくる。ほんとそこだけは毎回感心する。ディーンの歌もいい。今若者のあいだで流行っているような曲ではなく、ひと昔前のようにも、また、とても'先'にもとれる無国籍な感じがするのが余計いいのだ。

 

もはやディーンの演技云々より、毎回変わるゲスト出演者の演技合戦と、制作チームの、いかにdramaとしての完成度をあげるかのこだわりを評価したい。次回の、ゲストは金子ノブアキだよ!

すごい楽しみに。

 

「スカーレット」

9月30日から始まって、主人公、喜美子(戸田恵梨香)の幼馴染、信作(15歳)としてすでには林遣都も出演しているのに何も書いてなかったことに気づいた!

 

朝ドラ恒例、主人公の幼少期を描く子役が担当する約1週間は、喜美子の父親(川原常治)役の北村一輝の登場シーンが多く、しかも彼の並々ならぬ朝ドラへの意気込みがTV画面から伝わってくるだけに、私にとっては十分見ていて楽しいプロローグだった。

林遣都は、喜美子の幼馴染として大島優子と今のところ2個一みたいに登場する。(以前「闇金ウシジマくん」でも幼馴染だった!)そしてあまり絡むシーンはないかもしれないが、「ダイブ」で共演した溝端淳平も出演。あれ以来の共演なのかどうかわからないけど、15,16歳で部活みたいに飛び込みを一緒に練習した俳優仲間とまた同じ現場なんだね。遣都作品を追いかけている者としては、なかなか感慨深いものがある。

 

戸田恵梨香、大島優子、林遣都、この3人が15歳を演じてるのだが、動いている見た目は演技力のお陰でイケてるのだけど、戸田恵梨香のどすのきいた低い声は15歳にはきついやろ、と一人しょーもないところで突っ込んでしまいました。

戸田恵梨香の出演作をあまり見ていないのだけど、それにしても、彼女の低い声と見た目とのギャップを本作でしばしば感じている。女の人の声は高いより低いほうが好きなので、いいんだけど。

 

 

「いだてん」-16

まさに神回。

こんなに悲しくて、悔しくて、切ないシーンをアップテンポの落語「富久」の語りで描くとは!

前回は、小松(仲野大賀)が戦争に駆り出されたくだりて泣けたけど、今回は彼の死。

満州で終戦を迎えかろうじて生き残ったにもかかわらず、道端でソ連兵に射殺されてしまう小松。戦争に行って、一人の敵も殺めることなく(功績をあげることなく)、逃げる過程で命を落とした兵隊(一般人)は、少なからずいたのだと改めて思う。

東京オリンピックを夢見て上京した青年は、遠い満州の地で、志ん生の絶品の「富久」を聞き、駆け出したくなる。駆け出して、駆けて駆けてそのままニッポンに帰りてえ。愛する女房子供に会いてえ。とスッスッハッハッと走っていただけなんだ。でも敗者日本人として撃たれてしまう。この理不尽!

走る小松(大賀)、これまた走っているがごとく息も絶え絶えに語る志ん生(森山未來)が、鬼気迫る!コンチクショウってか!

 

いやあ、良かった❗テレビとは思えない。

1964年の東京オリンピックが開かれるまでを、それに直接携わる人、選手、国民の目線で変化する時代と共に描く大河ドラマ。ずっとドラマの解説みたいな立場で、ストーリーを語ってきた志ん生一門と、金栗四三側、選手の小松が終戦の満州で交差する。これでこそ大河ドラマ!

 

終戦直後、現地の人の手のひら返しで破壊された演芸場で、誰が寄席に来るのかと半信半疑で来た志ん生たち。しかし、涙にくれながらも、半ばやけくそで笑いを求めに寄席にきた敗戦国の人々。

あゝ、 エンターテイメント、そしてスポーツもやっぱり捨てたものじゃないぜよ。

 

「君が君で君だ」(2018年)

池松壮亮の出演作品を追っていると、どうにもこのブログに感想をかけない作品に出くわすことがある。実際、せっかく観たのにブログに書いていない彼出演の作品がある。本作も、ちょっとそんな感じ。

 

好きな女性(彼らは姫と呼ぶ)を守るために、彼女が好きな男性になりきり、彼女の部屋の向かいに部屋を借り、彼女を監視し、でも決して出会わず、バレないように彼女を見守り続け、彼女のすべてを受け入れて暮らす男3人。池松壮亮=尾崎豊、満島真之介=ブラッド・ピット、大倉孝二=坂本龍馬。

彼女のすべてを知り、受け入れることで彼女を守る、愛し抜くとしている3人の愛は、やはり歪んでいないか?実際。彼女が不幸に向かって転がって行くのをただ見ているだけだし。

奇妙な女性の愛し方と一緒に提示されるのは、”夢”という言葉。

音楽という夢を追う青年(高杉真宙)のために貢ぐ姫。最初はそんな男でなかったはずなのに、女にキャバクラで稼いだ金を貢がせて平気になる男。姫のささやかな夢は、いいお母さんになること。それだけなのに。

姫役のキム・コッピの横顔が綺麗で悲しい。周りの男達がむちゃくちゃで、現実逃避をするなか、唯一現実を生きている女のリアルを、変わっていく彼女の横顔が語る。

 

姫の借金取りに存在を見つかったことで、3人の曲がった愛し方、生活は破綻する。最後までその異常な愛のあり方に執着した尾崎豊=池松壮亮の顔のアップからは、姫を思う自分への痛いほどの執着が滲んだ。そうしていなければ自分がなくなるという、追い詰められた動物のようだった。

 

こんな(私にとっては)ヘンテコな映画なのに、チンピラ役で向井理(=眉毛なし)。ヒモ男の高杉真宙と、結構な俳優陣。二人とも、イケメンどこかにおっぽって、クズ、生ききってます。あ、この作品の男たち、皆クズだわ。悲しいほど。

 

最後にキム・コッピ、「息もできない」での女優さんだった!うーん、あれ「あゝ、荒野」で、菅田将暉とW主演だったヤン・イクチュンの映画だわ。私の中で観なきゃいけない映画リストに入っているんだけど、恐くてなかなか観られない。こんなところでひょっこり繋がってくる秀作。やはり、観ろと言われてる。

 

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合唱大会

何事もライブ=”生”は良いものだ。

随分昔の話になるが、知り合いの娘さん(当時高校生)の吹奏楽部発表会に行ったことがあるのだが、さして期待せずに参加した私は、ホールに響く生演奏に体を包まれ、予期せぬ感動で不覚にも涙が出てしまったことがある。

以来、プロアマ問わず、演奏会(ライブ)に行くチャンスがあれば結構な確率で参加することにしている。

先日は、娘の中学校のクラス対抗で優賞を競う合唱会を観に行った。

約1か月間、放課後と朝練をこなし課題曲を猛練習していた。合唱は嫌い、と親には言ってはばからない娘だったが、当日が近づくにつれ、ソプラノがどうの、男子の歌う態度がどうの、と優勝を意識した発言をしていた。2日前ぐらいには声がかすれていて、大丈夫か?と声をかけたくらいだ。

事前に優勝のための選曲やら審査員の先生、各クラスの状況などの情報をいろいろ得ていたので、せっかくだから自分もそういう観点で聴いてみようと軽くメモをしながら鑑賞した。

1年生はまだまだの出来上がり。特に男子が声が出ていない、と思ったら、後の講評で変声期を終えていない子が今年は多く苦労したらしい。

2年生は流石うまい。しかも1クラスだけど、将来ボーカルやるんじゃない?と思えるような男子生徒が1人いた。だって、短いけどソロで声を出すパートをもっていたもの。 

3年生は選曲がかなり難しい。難しすぎで聴衆がのれないほど。よくそんな難しい曲をそこまで仕上げてきたね、と感心した。

合唱ほど、集団で音を合わそうと必死になるものもないと思う。

娘は当日の朝、指揮をする女子生徒から全員手紙をもらったそうだ。また、本番直前には担任からも。

結果、娘のクラスが優勝した!1年2年では私の審査もまんざらでなく、優勝がほぼ当たっていたのだが、3年生は外れた。

帰宅後、陰キャラを気取っている娘としては、合唱で優勝したからって泣くほどうれしいことはない、なんて言いながら、例の指揮者の女子生徒が本当にうれしそうて、その顔を見てうれしかった、と言った。友達の喜ぶ顔を見て喜べる娘を見て、最近反撥することも多く難しいなーと思っていたが、少し安心した。

 

各クラス、約30人の声が美しいハーモニーを奏でた1日。とても豊かな時間をありがとう。

 

 

 

「シャーロック」

おディーンの使い方を制作側も理解してきたようだ。色物にならないギリギリで寸止めする遊び心ある演出。コメディではないのだけれど、本人もそこのところ楽しんで演っているようだ。

いやあ、なかなか面白い。

 「シャーロック」というタイトルは、皆が知っている古典をベースにしたミステリードラマですから安心して見てね、という、もはや免罪符でしかないような気がする。コンビが事件の謎を解くという設定しか一致してないもの。

 

ディーン(シャーロック)と岩ちゃん(岩田剛典=ワトソン)の顔面最強コンビ!との前触れだったけど、初回に限れば、変な格好のオジサン(ディーン)と、悩める暗くてカッコ悪い似非医者(岩ちゃん)が探偵と被疑者の関係でゴタゴタと絡み、二人のカッコ良さなんてどこにもなかった。(特に岩ちゃん)

 

毎回事件に巻き込まれるゲスト俳優が話の主軸を担うらしい。初回は、いきなり死んでしまう医者の中尾明慶とその妻役の松本まりか。

中尾明慶が登場していきなり死んでその後登場しないなんてあり得ない、と思ったら、やはり金持ちの医者の息子にして成績が振るわず、不正をしてようやく医師になり、それでも誠実に医師としての務めを必死に果たそうとする青年。なのに結果的には妻に裏切られ、絶望の果てに命を絶つという、とても悲惨な事件だった。

しかし、犯罪ドラマとしては謎解きの一環としての事件の背景であり、そこにウェットな感情移入は微塵もできない。うっかり感情移入しかけたけれど、ディーンのカラッとした演技(平板ともいう)でするりと流されてしまった。昭和の「火曜サスペンスドラマ」ではないのだから当たり前か。

ついでにが岩ちゃん演じるワトソンの複雑そうな生い立ちや、ホームズ(ディーン)そのものが抱える闇でさえ、全くティザーなし。

今後をお楽しみに、ってことかしら。

ちなみに役名は、ホームズ=誉 獅子雄  ワトソン=若宮潤一 ですと。

www.fujitv.co.jp

 

 

 

「いだてん」-15

大好きな嘉納治五郎先生が亡くなった。

悲壮感を全く感じさせず、その人物の重さ、その人を失うことの重さを語る役所広司に、演技の骨頂を観た。

 

私としては、加納先生(役所広司)と可児(古舘寛治)や四三(中村勘九郎)、田畑(阿部サダヲ)との漫才みたいな掛け合いがもう見られなくなりガッカリなのだが、最後に嘉納治五郎の往年の盟友、可児、野口(永山絢斗)、永井(杉本哲太)の飲み会で、先生の愛すべき可笑しさを一緒に噛み締められた。クドカン、このシーンありがとう❗

 

さて、今回は、遂に世界が第二次世界大戦に突入して、もはやオリンピックどころではなくなり、開催地として決まっていた東京、日本も開催を返上し戦争の渦中に巻き込まれていく。

四三の弟子の小松(仲野大賀)も、東京五輪に出るはずが学徒出陣に駆り出され、嘉納治五郎が作ったオリンピック用の競技場で行われた出陣式で華々しく満州に送られる。

もうね、この辺から涙腺崩壊だな。

戦争の狂気が世の中を支配する中、正気の人の無理矢理の笑顔や万歳ほど涙を誘うものはない。阿部サダヲの噛み締めたしたくちびるが震える様にグッときた。

そして、娘(りく=杉咲花)の婿となる小松を、(戦争への)怒りと娘への祈りで送った柄本佑。そしてただ若い、時代に翻弄される、無垢で純粋で、愛するものはせめて守りたいとささやかに願った熊本出身の純朴な青年を演じた大賀の表情が素晴らしく、彼の顔のアップを思い出すだけで泣けてくる。

 

戦争の暗くてつらい時代を乗り越え、1964年開催の東京オリンピック招致に向けて、いよいよ物語りは佳境に入っていく。

その前に、満州での志ん生と小松の邂逅(?)のくだりが次回あるようだ。志ん生の若い頃の噺家仲間で登場する柄本時生。柄本兄弟、大河同時期出演だよ!

どちらも絶妙にスパイスの効いた役です。