はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して見るのが好き。その記録や映画観賞、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「スローな武士にしてくれ〜京都 撮影所ラプソディー〜」(2019年3月放送/NHKスーパープレミアムドラマ)

まあ、なんと贅沢な!さすがNHK。視聴率などとんと気にせず、やりたいことを(この場合PRしたいことをを多分に含む)贅沢な役者陣を使って、こだわってこだわってここまでつくりやがった!

内野聖陽を主役に、最新映像技術を使って、時代劇を撮るという、コメディにして実際こんなに撮影技術は進んでいます、というNHK的最新情報を散りばめた、なんかドラマと情報番組のギリギリのところでうまく着地したって感じの作品だった。うまく着地したっていうのは、ドラマのストーリーとしてちゃんと、ヒール(競争相手)がいたり、ピンチがあったり、そして助け舟があり、ちょっとした色恋あり、最後にオチまでつくという、きっちり笑いと感動のツボを押さえているということ。そしてそれに大きく貢献しているのが、内野聖陽の緩急のある演技。

殺陣の腕は一流だけど、セリフがしゃべれないという決定的弱点のため大部屋俳優を何年も続けている男。役者をやっていない時は普通の中年男の顔だと思えば、いざ殺陣のシーンになると顔はたちまち引き締まり、この企画を持ち込んだ技術部チームのリーダー、柄本佑に「そこに近藤勇がいる!」とまで言わせてしまう。いやあ、内野さん、ほんと芸達者。殺陣だって役に負けないキレキレもの。最後に(劇中役で)ちゃんと台詞をしゃべられせてもらえたのも、ドラマならこうでなきゃって感じよ。

ヒールの中村獅童の悪ぶり(ただ単に大部屋俳優仲間で悪役をよくやるってことで)もピッタリだし、監督はじめカメラ、照明などのスタッフ一同、“”活動屋”を自認したろーとるたちが最新技術と取っ組み合いながら奮闘する様も笑えた。

 

そういう輩で守られ、成り立っているともいえる京都撮影所とは、もちろんあの太秦映画村のある東映撮影所。「京映撮影所」という看板の「東」を隠して撮っていたけど。劇中での撮影前の祈願では、鳥居に「岡田裕介」(東映の社長さん)としっかり刻まれているではないか。撮影所の規模、道具部屋に至るまで、これはまさに映画のセットとしての本物。ついでに殺陣のシーンで福本清三さん”5万回斬られた男”までちらっと出演するサービスショット付き。映画のトリビアネタで満載で、ちょっと映画を知っている人にとってはたまらない面白さでした。

www.nhk.or.jp

 

 

 

「きのう何食べた?」- 5

気付いている方もいると思うけど、番組最後のBlue ray & DVDの宣伝をする二人(シロさん&賢二=西島秀俊&内野聖陽)の距離が、前より近くなっている。

ツンデレのシロさんが、回を追うごとに賢二が自分にとってかけがえのない人であることに気づいていく様があたたかい。

そう言えば今回は西島秀俊の涙もあった。この俳優さんが涙ぐむシーンをあまり観たことなくて貴重だった。

それにしても、シロさんと賢二カップルに負けず劣らず、小日向さん(山本耕史)と恋人ジルベール(礒村勇斗)カップルも最高だね🎵

 

「あなたの番です」- 6

きたーーー!

期待通り、いやそれ以上に!怖い怖い木村多江!狂気と日常が交互に現れる表情は、見ていて息もつけなかった。圧巻でした!

 

で、前編最終章とか言っちゃって、W主演の片方、菜奈ちゃん(原田知世)が殺されちゃうってどーゆーこと?!ドラマのはじまりでは年の差カップルのいちゃいちゃがややぎこちない感じだったのに、すっかり自然で微笑ましくなって、原田さんの年齢を感じなくなったのに。これから田中圭だけで引っ張っていくことになるのか?(引っ張れるとは思うけど)

個人的には、菜奈ちゃんのフワッとしたファッションスタイルが、可愛らしくて毎回楽しみだったのになー。原田知世さんだからだろうけど、オバサンぽくなく変に少女趣味でもなく、大人かわいさをぜひ見倣いたいところ。

それにしても、頼みの綱の刑事(浅香航大)までワルとは!いったい誰を信じればいいの~?!

 

「+act」7月号 (林遣都 × 池松壮亮)

面倒くさそうな男二人だなあ。

ありがちな、群れをなしてご機嫌なことを一緒にする男たちとはかけ離れている、特に池松壮亮!この人とずっと友達って言える林遣都もまた同類なんだろうか。大人数でワイワイできないタイプというか。

 

対談を読むと、お互い結構なライバル心をもっていることがわかる。ただ仕事の選び方や役者としてのスタンス、考え方が大きく違っているから、お互いを一歩も二歩も離れて見ることができてるみたい。

対談で伺えるのは、林遣都の超絶口べた(!敢えて言わしてもらう)なこと。

池松壮亮が出会ってから10年、林遣都のことを常にウォッチし、現在に至る彼について冷静に分析して話した後、林さんは池松さんのことを?と振られて、「壮亮のこと、あまり知らないんです。見せないから。」ってどうよ。今さら、この対談で?!

インタビューでも言葉を選んで慎重に語る様子は見て取れる。また、これまで読んだ物の中でも口数が少ない、何を考えているかわからないなど、結構各所で言われているので想像はつく。

ありきたりのことを言いたくなくて(言えなくて)うまく自分の考えを口に出すのが苦手なんだろうなと思う。いる、そういう人。

勝手な持論だけど、俳優さんて、池松壮亮みたいに自分の考えがはっきりあって、しかもそれが固くて、というタイプ(斎藤工も?)、菅田将暉みたいにマルチに自己表現の方法があり、発信できる"自分(才能)"が多いタイプ(山田孝之、ディーン・フジオカもかな)、そして不器用に、そして器用に演じることに集中するタイプ(林遣都もそうだと思うけど、大御所だと役所広司や風間杜夫もそうだと思う。話がそれるけど、以前大竹しのぶが風間杜夫と舞台で共演した時、芝居の解釈か何かで悩んだ時に風間杜夫が「大丈夫だよ、俺たちよりお客さんのほうが賢いんだから」みたいなことを言ってくれたというのを聞いて、なるほど!と思ったことがある。解釈や見え方は演出や監督が考えることで、その意図通りに演じるのが役者だものね。)があるんじゃないかな。

長く俳優で活躍し続けるなら、最後のタイプがいいと思う。何にでもなれる。できない(演じられない)ものはない、林遣都の、その俳優としてのスタンス、好きです。

 

今回の対談、池松壮亮にずいぶん助けられていたけど、この二人のさらっとした関係、だけど、深いところで行き来している、お互いに向けられた熱の線 ー 自分が持ち得ないものへの憧憬とリスペクトを含む ー みたいなものが感じられて確かに面倒くさいけど、限りなく素敵だなと思った。

+act. ( プラスアクト )―visual interview magazine 2019年 7月号

+act. ( プラスアクト )―visual interview magazine 2019年 7月号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「銀二貫」- 7 (俳優陣礼賛)

ラストシーンは年老いた番頭はん(塩見三省)が、隠居した大旦那(津川雅彦)の臨終を看取った時の顔のアップだった。

劇中でも"怖い顔"と言われ、松吉(林遣都)にも厳しく当たったこともある番頭はん。

しかし、林遣都(松吉)と松岡茉優(真帆)がメインストーリーの主役なら、津川雅彦(和助)と塩見三省(善次郎=番頭)が真裏の、まごうことなく主役だと思う。それほどこの二人の関係性は尊かった。老境に達した二人のベテラン俳優の静と動、情としたたかさの滲み出た演技が心に染み、そこにちょいちょい合いの手で入ってくる、いしのようこのおなごし(女衆=女中)のトリオに、人生の機微の多くを教わったような気がした。

件のラストシーンで、怖い顔の塩見が本当にいい顔をしていた。この人も京都出身の俳優。

 

また、父親の仇討ちで、松吉の父を斬った建部玄武役の風間俊介についても触れたい。この話のきっかけとなる仇討ちは、実はお門違いであることを知りつつ松吉の父親を殺め、その後の苦悩・人生の辛酸は、松吉のそれと実は同等くらいなのではないか、いや、欺いた側だけに精神的重さは病に犯されるほどだったと言えよう。余命わずかとわかり、討たれる覚悟で真実を伝えに松吉の前に現れた玄武を演じる風間俊介の演技が渾身!松吉と対峙したそのシーンが、この話のクライマックスとも言えるが、両者迫真の演技。お互いが武士を捨て一人の人間として、これまでの遺恨が昇華できた印象的なシーンだった。

 

若手の脇を固めるベテラン俳優たちが本当にいい味を出していて、大阪、船場商人の暖簾を守る心意気と矜持を堪能できたお話でした。 

 

 主な出演者(NHK公式ページより抜粋)

  • 松吉(まつきち) …林 遣都 ...
  • 真帆(まほ) … 松岡茉優(4回~最終回) ...
  • 善次郎(ぜんじろう) … 塩見三省 ...
  • 真帆 … 芦田愛菜(少女時代) 9歳のころ松吉と運命的な出会いを果たす。 ...
  • お里(さと) …いし のようこ ...
  • 嘉平(かへい) … ほっしゃん。 ...
  • 梅吉(うめきち) … 尾上寛之 ...
  • 半兵衛(はんべえ) … 板尾創路
  • お和歌(わか)…萬田久子  ←老舗のごりょうはんとして、迫力満点!

「きのう何食べた?」- 4

卵をとく時は、箸を平行に持ってボールの底をひっかくように12.3.4.5.6.7.8.9.10.往復し、ボールを90度回して1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.。さらに90度回して、、、と、賢二がやっていたように今ではやっている。賢二(内野聖陽)が、シロさん(西島秀俊)のためにだし巻き卵を真剣に作るとシーンを思い出しながら。

シロさんの手慣れた料理の作り方よりも、大きな手で、作り方を声に出して言いながら一生懸命作る賢二の料理手順のほうがなぜだか頭に入っている。

 

こんなに大きな展開がないドラマも珍しいだろう。カップルで暮らしているなら(敢えてゲイとは言わない)起こりうる、嫉妬心や誤解や、ツンデレで相手を傷つけてしまったり、ダブルデートしたり・・。そんな男同士のカップルの日常を毎週楽しみに見てしまうのは、やはりこのドラマのキャスティングが功を奏しているとしか言えない。

ドラマが進むにつれ、内野さんが少し華奢になってきたような気がするのは気のせいだろうか。役者さんなら役に入り込んでしまうだろうから、無きにしも非ずだ。あんな乙女な賢二だもの。シロさんと暮らすうちにセンが細くなってもおかしくない。賢二の健気さと、賢二を見るシロさん(西島さん)の優しい笑顔を見たくて、深夜にも関わらず毎週きちんとテレビの前にいる。

 

そして、先週シロさんが気づいた、毎日もう1皿・・とおかずを増やしているのは、賢二がいるからなんだよな、ってこと。それは毎日何作ろうかなって考えている私も同じ。そう、”愛は食卓にある”のだよ。(確かキューピーマヨネーズのCMコピーだった。)

 

 

「銀二貫」- 6 (大阪商人:あきんど言葉)

「いとさん」商家の娘・子ども

「とうさん」商家の成人した娘

「ごりょんはん」商家の奥さん

御棚の女性を呼ぶ言葉がたくさんあって、なんとも"らしく"ていい。

語源が知りたくてググってみたところ、「いとさん」は"いとおしい"からきているらしい。また「とうさん」は、"い"が抜けたもの。そう言えば「こいさん」も聞いたことある。こちらは末娘を指し「小いとさん」の後半が省略されたもの。

「銀二貫」でも、この呼び分けがされていました。また、主人公の松吉は、「松きっとん」と、浦浜アリサ演じる、松吉に恋心を寄せるとうさん、そして語りの天ちゃんこと天神さんの狛犬(声:ぐっさん:山口智充)だけが呼んでいました。江戸なら「松きっつぁん」だろうけど、「松きっとん」というのがなんか愛情が滲み出ていて耳に心地よかった。

ところで、この時代劇に浦浜アリサ(お咲=とうさん)というハーフのモデルを使うって?と最初は思ったけど、この時代にして、この"とうさん"の破天荒ぶりを表すにはちょうど良かった。鈍感松吉への恋に破れても健気だったし、その後松吉の恋を応援する気っ風の良さもはまっていた。彼女を始め、出演者の多くが関西出身というのも素晴らしいキャスティング!関西出身でないのは、メインでは津川雅彦と芦田愛菜くらいじゃないかと思ったくらいだ。それほど、関西弁が肌から聞こえてきた感じよ。

 

第1回目で、松吉が「行ってきます。」を丁稚言葉でうまく言えず、「ほな、いて参じますうー。」と練習していたのが微笑ましく、私も日常「行ってきます」を言う度に、遣都松吉のそれを思い出す。(ほどの作品への入れ込みよう(汗))