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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

劇場アニメ「ルックバック」(2024年):画力で物語る唯一無二の作品

夢・純粋・ひたむき・友情・・それらがテーマの作品はたくさんあるけれど、登場人物の表情や動きでそれらがダイレクトに伝わり、一緒にドキドキワクワク、疾走感や胸が熱くなる感覚を味わえたアニメ作品は久しぶりだった。

また、物語として、夢を追う姿があり、挫折があり、困難を乗り越え立ち直り、夢をつかむーという常套の展開でないことも新鮮だった。
最初から主人公の二人のうち一人は引きこもりという困難を抱えている。共通の夢があったから、部屋から引きずり出し、二人で夢に向かって疾走した。また、同じ夢と思っていたけれど、実は違っていたわけだが、あっさりお互いを受け入れ道を分かつところなども今っぽくていい。

登場人物のアップの顔にやたら線が多く、とにかく表情豊か。台詞が少なく圧倒的に”画”で見せたところが素晴らしい。

 

是枝裕和監督の実写版「ルックバック」が公開中で、劇場アニメ版も評価が高いということで観たわけだが、あまりに良かったので実写のほうはいいか、、という気にさえなっている。(とはいえ、主人公たちの少女時代をどのように是枝監督が撮っているかは興味があるし、菅田将暉も出ているし、きっと観ると思う)
HPを見ると、日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞を受賞していた。

藤野の声に河合優実、京本に吉田美月喜、この2人もとてもいい。特に吉田は、後で見た本人とは全く違う印象の声で、訛りも含めてしゃべり方を練習したと言っていたが大健闘だった。

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藤井風「You」:大切な人を想う歌

最近、J-WAVEでやたらこの曲が流れる。そしてこの曲を聴くと必ず娘を思い出す。
正確に言うと、失恋して号泣していた娘を思い出す。
言ってもらちがあかない話を何回も聞き、双方若気のいたりでどちらが悪いわけでもないと思ったが、娘の泣き顔を見るのはつらかった。

同じような話に同じようなアドバイスをするのもあまり意味がないと思い、当時ヘビーローテーションで聴いていた、藤井風のアルバム「Prema」の中の「You」の歌詞をLINEで送った。
歌詞の通りの言葉を伝えたかったから。

 


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※このMVの藤井風は久しぶりに素朴感がたっぷり出ていて、個人的にはかなり好き。

 

ところで、藤井風が作る曲の中には、聴いていると必ず大切な人を思い浮かべる曲がある。

「ガーデン」は父

「死ぬのがいいわ」、「花」は母

そして「You」で娘

「You」は、Featuring UMI版もいいのでMVを置いておく


www.youtube.com

 

彼の曲は一貫して、自分の中のHigher Self、神さまへの愛を歌い、それをもってして他人へ優しいメッセージを送っていると思うのだが、私はきっと彼のメッセージを受け取れているのだと思う。
曲を聴いてそれぞれを思い出す時、その人の姿や良いところ、優しい顔を合わせて想い、それを愛おしく想う自分の気持ちにも出会えるのだから。(だいたいが慌てていたり、あーあとがっかりしたりしている毎日だからねw)

 

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「私たちが光と想うすべて」(2024年):いわゆる”ボリウッド映画”ではないよ

インド史上初のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作ということで、WOWOWの放送を録画していた。しばらく放置した後だったので、製作国がフランス、インド、オランダ、ルクセンブルク、イタリアと多国に渡り、なんの映画だっけ?とまるで録画動機も忘れ予備知識もなく鑑賞開始。

 

インドの大都会、ムンバイで看護師として働くプラバ(カニ・クスルティ)とアヌ(ディヴィヤ・プラバ)。明るく自由奔放に恋愛を楽しむアヌに対し、プラバはお見合い結婚した相手がドイツに出稼ぎに行って以来1年も音信が途絶えている。

彼女たちの生活を通じ、インドの都会に住む人々の暮らしぶりが見える。
ピカピカできれいな電車車内。高層ビルの夜景。雑然とした道路を縦横無尽に走る車。
言葉の違い。宗教の違い。
富裕層も増えているが、一方で立ち退きを要求された病院の同僚、パルヴァティ(チャヤ・カダム)は、法的書類がないせいで居座る権利もない。
プラバとパルヴァティが、高層マンションの広告に石を投げるシーンは、自分の感情を抑え込みがちなプラバが、自らを解放していく最初の一歩だったように思う。

夫の不誠実に耐えているプラバの様子は、男尊女卑がまだまだインドに強く残っていることを物語る。アメリカのIT系ビッグカンパニーのボードメンバーに男女ともインド系の面々をよく見るけれど、それはやはり一部の人たちなのだと思う。

終盤、見知らぬ記憶喪失の男を音信不通の夫に仕立てて、「二度と会いたくない」と言い放ったプラバに溜飲が下がる。

ムンバイを離れた田舎の海岸。電球で飾られたビーチ・カフェで談笑する3人の女と、女たちに友人と認められたアヌの恋人、シアーズ(リドゥ・ハールーン)。
真っ暗なビーチにやわらかく灯る4人の”チル”な一夜がとても愛おしく思えたラストシーンだった。

 

そう言えば、今まで観たインド映画に必ず出現したダンスシーンがなかった!
まさに新しいインド映画の可能性。
女性監督、パヤル・カパーリヤー監督に一層期待と注目が集まるのもわかる。

私たちが光と想うすべて

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「宝島」(2025年):自分史上初めて見た、カッコいい瑛太!

ジョン・カビラとその父、川平朝清の対談本「沖縄を語りつぐーある家族の歴史」を読んでいる最中なので、戦後、返還前の沖縄を舞台にした本作を急に観たくなった。

 

米軍占領下の沖縄で、”戦果アギヤー”として嘉手納基地から物資を盗み島の人々に配ったり、戦後の島の暮らしを少しでも良くしようと考えていた島のヒーロ、オン(永山瑛太)。オンの弟のレン(窪田正孝)、オンの恋人のやま子(広瀬すず)、そしてオンの親友のグスク(妻夫木聡)。
ある夜の基地への襲撃で米軍に追われ、彼らは散り散りになる。そしてその夜からオンは姿を消してしまう。

数年後、レンはヤクザに、グスクはコザ署の刑事に、そしてやま子は小学校の教師になり、それぞれのやり方でオンの行方を追っている。


本土復帰前の沖縄で米兵の犯罪が増える中、島民の反米・反基地感情が大きくなる一方で、ベトナム戦争が始まり、沖縄から戦闘機がベトナムに飛び立つ。戦争は終わったと本土の日本人は思っていたけれど、沖縄では現在進行形だった。
当時沖縄で起こった事件や暴動などの史実を生きながら、アメリカ諜報機関と渡り合い消えたオンの消息を追うグスクだったが、途中からレンが過激化していき、VXガスを所持しテロを企ていることがわかる。
オンの疾走も、その毒ガスに関係するのか・・ヒーロー=オンの壮大なレジスタンス計略?と一瞬思ったけれど、そうではなかった。そして、消えた島のヒーローを探すミステリーとしてはちょっと肩透かしを食らった感の結末だった。

しかし、本作の主題はミステリーではなく、戦後の沖縄の真実を伝えるものだろう。
当時の沖縄の人にとっては、アメリカ人も本土の日本人も、自分たちの味方ではなかった。本土復帰までの闘争、復帰後の基地問題など、沖縄の人々の思いを映画に没入している間、自分事として味わうことができた。
島の中のアメリカの町並み(さすが東映!)、全編赤茶けた画面。
沖縄の海、砂浜、防空壕だった洞窟、放置されたままの人骨・・・。

 

キレた演技がテッパンの窪田正孝。本当に見ていてハラハラするキレ具合。
広瀬すずもとても良かった。芯の強い娘だけでなく、30代の女性教師としてのキャラクターに説得力があった。
キーパーソンとなる米兵とのハーフの孤児、うたを演じた栄莉弥(エリヤ)、その幼少期を弟の光路(ミロ)。ハーフのイケメン兄弟を発見!

最後に、タイトルに入れたのに触れていなかった永山瑛太。
男気とカリスマ性、そして色気があって本当にカッコいい。私には、ドンキーのCMの印象が強いのだが、瑛太の本来のカッコ良さが拝めて良かった。

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「俺ではない炎上」(2025年):阿部寛の独断場、「テルマエ・ロマエ」を思い出した

やったこともないSNSアカウントに殺人遺体の画像がアップされ、瞬く間に拡散。
過去の投稿から会社や自宅まで突き止められ、世間から追われる羽目に陥った男の逃亡劇と一体誰が彼をハメた?という謎解きが、終盤まで見当がつかなくて飽きさせない。

普段からランニングをやり、体を鍛えているという設定のハウスメーカーのやり手部長、山縣泰介に阿部寛。車を捨てて逃げることになったのだが、走る後ろ姿が軽快だ。そして3メートルくらいの高さの壁を半裸で降りるシーンでは「テルマエ・ロマエ」の日本の銭湯にワープしたローマ人を演った時の阿部寛を思い出した。
還暦過ぎた人には到底見えない走り、半裸に、今や映画やドラマで引っ張りだこの阿部寛の日々の鍛錬を見た気がした。また、窮地に陥った真面目な男の狼狽ぶりをやらせたら、阿部寛は面白い。ギョロリとした目が白黒泳ぐさまが最高だった。

 

SNS上で個人攻撃で盛り上がる世間

自分の言動にいっさい責任をとらない若者、だけでなく大人

現代の風潮をたたみかけるように描きながら、自分の思っていた自分の評価と他人の評価のギャップに凹む主人公が痛々しく、同時に他人事ではないと思った。(まあ、他人の評価を気にすることはないのだが)

 

若手では、芦田愛菜、長尾謙杜、藤原大祐。
芦田愛菜の演技はテッパンにしても、長尾謙杜は、この間観た「木挽町のあだ討ち」でも感じたけれど、こういうポジションで登場するあたり俳優業も今後がんばるのかなと思った。

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「Tシャツが乾くまで」- 6:令和的男女の関係とモヤモヤを提示した作品だった・・?

最終回は予想通り。二人(咲子=蒼井優と充=松山ケンイチ)はすっきり?別れ、それぞれの生活を楽しんでいるらしい。
いや、咲子はちょうどいい女友達みたいな話し相手の樹生(中島歩)を得て、ついでに可愛らしいその息子とも仲良くやっているけれど、、充の方はどうなんだろう。

これまでの逃避遍歴と同じようにふらりと家を出て、経営していた喫茶店も従業員の直人(高橋文哉)に譲った。家も咲子が住んでいるし(収入格差があるって言っていたから、家は咲子名義か・・?と余計な細かいことまで考えてしまう)、無収入で着た切りで出ていって、どうやって生きているのだろう・・・?

まあ、いいか、ドラマだからリアルなことを考えなくても。

 

お互い好き合っているのに、相手の”癖”に怯えて、一緒に生活できない、その結果離婚を選択。でも時々会って良好な関係をキープ。
いろいろな家族、いや離婚しているから違うか、いろいろな男女の関係もあるってことか。そういう意味では、充とあずさ(夏帆)、咲子と樹生の関係も”いろいろな男女の関係”の一つだよね。

まあ、昔コモンセンスとして存在していた男女の役割を今はひとつひとつ、それ正解?と問い直していかないといけない時代だからね。ほら、アンコンシャ・バイアスってやつだ。
それでも物語の中の台詞の中には、家族という最小単位の社会について気づかせてくれるようなものもあった。

 

中島歩が本作でブレークっていうけれど、だいぶ前からちょいちょい個性的な役で出ているけれどね。
あと、あずさを演じた夏帆が結婚したと昨日のニュースにあった。お相手がBialystocksの甫木元空ということで、個人的になんだかうれしい。そう、ドラマ「ラムネモンキー」の主題歌を担当していたアーティストだ。しかも甫木元さんはとても才能豊かな人。
ここ最近、夏帆をドラマで見ることが多いのだが、どの役も見事にキャラクターをとらえていて、そのキャラクターに感情移入できる。うまいなあと思う。しかもかわいい。少し前のドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」でも、男から精神的な独立を勝ち取った女性を演じた夏帆。甫木元さんとは幸せになってほしい。

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「舟越桂 版画展」OpenDNA Space

20代の頃から、舟越桂という作家が好きだ。最初に出会った作品は木製の彫刻だったと思う。男でも女でも、何かを達観したような、泣きそうな、でも不幸には見えない、不思議な表情をした人物の顔に惹かれた。

 

SNSで回ってきた舟越桂版画展。仙川のOpen DNA Space という小さなフリースペースのこけら落としで開催され、彼の版画10点を展示したものだ。(2026.9.27まで)
彫刻作品はなく、版画と1点のドローイングのみの10点…大きな作品展ではなかったが、もう何十年も観ていない彼の作品を観たくて一人で出かけた。

 

真っ白い空間の壁に掛けられた10点の作品を鑑賞順にタイトルと、私の感じたことのメモ

 

③無題(左)    ②冬の言葉(真ん中)    ①森の言葉(右)

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森にいる妖精、あるいは人間からかけ離れた存在が何かを伝えようと軽く微笑んでいる。一方で、縛られた何かが静かに訴えている。

 

⑦言葉で描かれた地図(左)⑥高い木の上で(中左)⑤眠りの街へ(中右)④長い曲(右)

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人はそれでもまだ生きることを謳歌している。だが、その中でふと何かに気づく者もいる。あるいは、鳥瞰的にある決定を下す者も出てくる。賢者は何を語るのだろう。

 

⑩青い森で(左)    ⑨離陸(真ん中)     ⑧少年(右) 

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託されたはの少年。自分の未来に根拠のない自信を持ち、しなやかでなめらか、それでいて強靭な皮膚と肉体を持ち合わせ、その外見には一筋の光が見える。
そして、女性。これまでヒトが進化する中で破壊と代償によって築き上げたものを、いとも簡単に捨て去ることができる。次の命のためなら。
そして、また軽やかに、女は森に降臨した。

 

本当は間をおいて、観る角度を変えて何度も観賞すべきだったのかもしれないが、私はこの展示で、自然破壊や地球温暖化、あるいは戦争といったテーマを自分が(勝手に)思いついたこと自体に満足してしまい、早々とギャラリーを後にした。(狭い空間に客がたくさん入ってきたこともあり)

充実した日曜日になった。仙川まで行って良かった。

 

最後までお読みいただいてありがとうございます。
学芸員の方なら、自分の感じたことを分かりやすく素晴らしい文章で伝えることができるのでしょうが、残念ながら私には無理でした。写真付きで感じたことを書きちらすことしかできませんでした。
※写真は、ギャラリーの許可を得て掲載しています。

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