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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

始まりの一杯

わけあって、カフェイン摂取を1日なるべく1回に抑えている。

唯一の朝のコーヒーなのだから、カロリーも気にせず贅沢に。

コストコで仕入れたホイップクリームとシナモンシュガーをふんだんにのせたソイラテ。

こんなに穏やかな春の陽気の朝、にもかかわらず気のらない1日の始まりを鼓舞する。


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「天国と地獄~サイコな二人~」- 4 : 登場人物、演じる俳優ともいい仕事してます!文句なしのエンターテインメント

面白かったーー!!!

最終回、怒涛の本気の走りを見せた綾瀬はるか(望月刑事)、ブラボー!!!
スタンディングオベーションを贈りたい!

 

全ての罪を被ろうと鉄壁の嘘の供述をする日高(高橋一生)を救おうと、望月はじめ敵対するはずの警察組織が一丸となってあらゆる方面から日高の供述を覆そうとする。
身内とは言え、これまで望月・日高の最大の敵と思われた”セクハラ”こと河原刑事(北村一輝)までも、真実を追うべくバディの幅刑事(谷恭輔)と共に足を棒にしていた。終盤、河原が最後に日高への聴取を確認するシーンで、重要な資料を持って入った幅の佇まい(谷恭輔、その一瞬でメチャクチャいい仕事してる!と思った)とその後の河原の日高への説得には胸が熱くなった。

犯行の真実は一つなのだ。

兄を庇う以上に、魂が入れ替わった期間の望月(中身は日高)の警察内部での証拠隠蔽などの不正を隠すべく、魂が入れ戻った後の望月を庇う日高。真実をまげて濡れ衣を着ようとする日高が許せない望月。表面的には殺人の容疑者と刑事、敵対しているのだが、その心の奥底には数か月間、お互いの”体”で生きた事実が根を下ろしていて、お互いを愛おしく思う気持ちがダダ漏れだ。
少し前にそのことを敏感に感じ取った望月の同居人、陸(柄本佑)の反応と行動がいじらしくて切なくて、2回目見直した時には泣けてきた。結局、陸は望月にとって勝手に転がり込んできた掃除・食事を作ってくれる”癒し”的存在で、大切な人ではあるけれど恋人ではなかったようだ・・。
ドラマの後半からはりっくん(陸)のとぼけた様子と事件の展開において重要な役回りに目が離せなかったのも事実。りっくんのサヨナラが本当につらかった。(望月は全然響いてないようなんだけどさ)

 

聴取の最終確認の取調室に戻る。
さらに日高の殺人容疑をはらす重大な証拠を持ってはだしで駆け込んできた望月と、河原は聴取を変わる。(もー、その時の北村一輝もめっちゃカッコいいのよ!”セクハラ”のくせに)

~サイコな2人~が対峙するクライマックス。いちいち描写しませんが感動的でした。

高橋一生ってすごいな、と改めて思った。取り調べのシーンは、台詞は少なく顔のアップがやたら多い。正直、どこの部分がイケメン?と個人的には思うのだけれど、微妙な心の揺れや、心の深いところ動きがポーカーフェイスをしていながらわかる。声の出し方。目の動き。顔のシワ。すげーなー、高橋一生。カッケー!

 

最後のオチにはびっくり!!その後の二人を描いてほしいっ。

きっと二人は何回も入れ替わりながらともに生きていくことになる。心と体が入れ替わったまま、例えば望月の体で日高が2人の結婚式を挙げることになったり、出産することになったり・・・妄想は果てしなく広がり、高橋一生と綾瀬はるかのテッパンの演技が観たくなった。

それはさておき、本当に毎週楽しみで目が離せず、緊迫感と抜け感の緩急が素晴らしく、脚本家を改めて確認してしまいました。森下佳子さん。(詳しくはWikiをどうぞ)あ、最後に”緩”を最後まで徹底してぶれずに魅せてくれた溝端淳平(八巻刑事)にも乾杯!最後までクスっと笑わせてくれました。

www.tbs.co.jp

 

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「ゆれる」(2006年):近くて遠い兄弟、そして深い

英語には「sibling」という言葉がある。男女の区別をつけない兄弟・姉妹・兄妹・・・を表現する言葉だ。sibling に相当する日本語が見あたらないので「兄弟」と書くが、ここでは姉妹や兄妹なども含んでいる。

 

本作を観て、兄弟ほど幼い頃と大人になってからの関係性が大きく変化するケースが多いものもないのではないか、と改めて気づかされた。
幼い頃は、遅く生まれた者は、早く生まれた者を年長であるというだけで慕い、憧れと尊敬、ちょっとした競争心で追いかけた。そして早く生まれた者は、下の兄弟の面倒を見なければならない、年長者ゆえに割に合わないことも多い、小さい者に軽い羨望を持ちながらも彼らを可愛がった人が多いのではないか。
しかしいつ頃からか、お互いはお互いの日常から姿を消すことになる。たまに会う、あるいは会話する程度の存在になり、それぞれに家族ができると、まるで同じ家に育った者同士とは思えないほど思考や食べ物の好みさえ変わってくる。

 

母親の一周忌で久しぶりに実家に戻った弟(オダギリジョー)が、兄(香川照之)と幼馴染(真木よう子)と3人で渓谷を訪れ、幼馴染が吊り橋から転落死する。その時橋の上に一緒にいた兄に殺人の容疑がかけられ、最初は兄を救おうと奔走する弟だが・・・。
田舎を出て都会で写真家として成功した弟と、田舎で実家の商売を継ぎ父親と二人で暮らす兄の関係性は、兄の無罪を証明するはずの裁判が進むにつれて思ってもみなかった方向に進む。

 

いやぁ、深い。深かった ―

自分が子どもの頃から思っていた気の優しい誠実な兄の顔は、裁判が進む中で違った面を見せてくる。そして兄との関係性において(意図していないにしても)いつも”当たりくじ”を引いてきた弟の調子いいずるさが、弟自身の眼前に晒されていく。

オダギリジョーのまさに”ゆれる”心の表現が、こちらの心に刺さって痛い。
そして、香川照之の”顔芸”なしの演技が本当に素晴らしい。「半沢直樹」シリーズで顔芸と名台詞でインパクトを与えすぎて、もう”顔芸俳優”みたいな感じになっちゃったけれど、この人、本当はこんなに抑えた自然で味わい深い表現をするんだと改めて思った。ラストシーンの泣いたような笑ったような表情が脳裏に焼き付いた。

 

この作品を見なければ、兄弟の遅く生まれてきた方として私は、早く生まれた人のことを、これまでとは違う視点で慮ることはできなかったと思う。家族の中で子として兄弟の中で絶対的な上の者の視点、背負ったものの重さ。人によってはそんなもの平気でどこかに棄てるのかもしれないけれど、もしかして真面目に誠実にそれらを背負ってしまったとしたら、、、。そんなことに気づいたからには、(棄てられなかった)背負ったものに関して軽々しい言葉をかけることはできなくなった。背負ったもの、降ろしてください、と言いたいのは山々なのだけれど。

 

公開中の西川美和監督の「すばらしき世界」を鑑賞する前に、彼女の作品で以前から”観なければリスト”に入っていた本作をやっと観ることができた。(やっぱりこの人イケメンです、ときっぱり言えるカッコいいオダギリジョーも拝めました!)

いやはや、兄弟を持つ人は、思わず自分と兄弟との関係を振り返るのではないだろうか。 

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西川美和監督作品『ゆれる』Blu-ray発売告知 オダギリジョー×西川美和監督コメント

 

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「ヘルタースケルター」(2012年):絶品女優、沢尻エリカここにあり!

沢尻エリカの”別に”事件(2007年に公開された主演映画「クローズド・ノート」の舞台挨拶時に、MCの質問に対して不機嫌そうに”別に”と答えて大バッシングを受け、ほぼ干された状態になった)からの復帰第1作目となる本作。
エリカ様(当時、高慢な様子を揶揄されていた)、一念発起で一肌脱ぐどころかハードな濡れ場もこなし、かつ蜷川実花が監督ということでも話題になったと記憶している。
先日見たドラマ「GIRI/HAJI」に出演していた窪塚洋介つながりで、今更だけど鑑賞したが、窪塚、ここでもテッパンのチャラ男を完璧に演っていた!

 

田舎から出てきた主人公(沢尻エリカ)が全身整形を施し、トップモデル「りりこ」となり女子の憧れの的になったのはいいが、創られた完璧な美しさを維持するのは至難の業。それを堪えていくうちに徐々に精神を冒され、周りに毒を吐き散らしながらドラッグ漬けになっていく。堕ちていく様が今となっては実際の沢尻エリカと重なって全くもってシャレにならん。
蜷川実花ならではの極彩色に溢れた映像、作品中100着以上の衣装を着たと思われる沢尻。そのどれもが華やかでキュート。じゃらじゃら、ぎらぎら、キラキラが散らかりっぱなしのりりこの部屋。この部屋がタイトル”ヘルタースケルター”(メチャクチャ)=りりこの生き方、りりこそのものを象徴している。

それにしても、ここまで完璧なスタイルと顔の美しさに加え、ハードな濡れ場までこなせる演技力のある女優、沢尻エリカは稀有な存在だと改めて思った。例えばスタイル抜群かつ美人と言うなら、かつての藤原紀香や米倉涼子だってそうだ。だが、あそこまでの演技力はあるだろうか。演技力と濡れ場なら、蒼井優ならいけるぞ、と思うけれどエリカ様ほど超絶美人ではないぞ。(失礼、以上すべて独断です)

つくづく惜しい女優を失ったと思う。昨年の大河ドラマ「麒麟が来る」の帰蝶役を得て、過去の過ちから立ち直り、いよいよ実力派女優の名を本物にしたかと思った矢先、覚せい剤使用で逮捕→降板→女優復帰は考えない、とは。本人の身から出た錆以外の何物でもないけれど、彼女の周りには彼女を正しい方向に導く人はいなかったのだろうか。そういう人がいないのも自業自得なのだけれど。

 

りりこのマネージャー役に寺島しのぶ。物語の展開においてキーパーソンとなる人物で、完璧な美を持ちながらも性格が最悪なりりこのそばで複雑な心理状態を絶妙に表現。そのヒモ役に若き日の綾野剛(これがまた駆け出し感があるのよ)。カメオで斎藤工が一瞬登場したり、同じくワンシーンだけの吉田鋼太郎。おまけにエンドロールでは江口のりこの名前を発見して、結局どこで出演したのか思い出せなかった。

 

女性の「美しくなりたい」「美しいあの人みたいになりたい」は、今となってはおカネで手に入れられるもの。YouTubeやSNSで整形した顔のBefore Afterを公開している人気者やタレントもおり、彼らの勇気は美への願望がある女子たちの賞賛を勝ち得ている。

むうぅ。
美醜や外見によって人の価値が判されるなど、今はやりの「Divercity & Inclusion」の原理から外れているのに、理想は唱えても大昔より”顔がかわいい””スタイルがいい””愛嬌がある”女は得をしてきたに違いないのだ。きっと男もしかり。

何時間もかけて別人になるまでメイクすること
一重瞼まぶたを二重にアイプチすること、毎朝面倒だから整形すること
鼻や顎まで整形すること
境界線はどこにひかれるべきなのだろう。
大金をかけて顔を変えて、それ以後得する人生ならそれもOKなのか。
若い女の整形願望をたまに聞くけれど、私はうまく答えを出せていない。 

 

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「GIRI/HAJI (DUTY/SHAME)」Netflixドラマ:Season2がキャンセルですと?!

東京のヤクザの抗争とロンドンのマフィアが牛耳る裏社会を、チンピラの勇人(窪塚洋介)が媒介したことで、どんどん話が複雑かつ大ごとになっていく。
勇人の兄で刑事の健三(平岳大)は、以前東京で弟の過ちの尻拭いをし、今度はロンドンで殺人を犯した彼を捕まえるべくかの地に飛ぶ。

健三の弟への義理:弟だから庇い、救い、悔い改めさせる、という兄としての一念のせいで、健三本人も犯罪に手を染めることになる。「俺たちは悪いことをしているが、悪い人間じゃない」という健三だが、人殺しは人殺しだろっと突っ込みたくなる。

 ダークでエッジの効いた映像、物語のかいつまんだおさらいをイラスト漫画で表現したり、クライムドラマなのに終盤のあるシーンでは、登場人物の感情表現を躍りのスローモーションで描くなど、攻めに攻めた演出。無言でミュージカルのような表現を要求された役者さんたち、大変だろうなーなんて大きなお世話、老婆心でみてしまった。

 

それにしても、窪塚洋介と言う俳優は何歳になっても、青臭い、マチュアでない人間が似合うよなあとつくづく思った。40歳を過ぎていてあの線の細さとちゃらさ(見た目の)、繊細さと優柔不断な様子。そして穢れなき目。

一方、平岳大の流暢な英語には驚いた。チェックすると彼はアメリカの大学を卒業していた。今更でもないが平幹二郎と佐久間良子の息子、超サラブレッドだけれど俳優業を志したのが結構遅いようで代表作というものがあまり見当たらない。しかし出演作品は数多。林遣都がらみで知っているのだけでも「悪の教典」:遣都と深い仲で、ゆえにハ
スミン( 伊藤英明)に嵌められる可哀そうな美術教師役。舞台「フェードル」では今回林遣都が演ったイッポリットの役を2017年の初演で演じている。
本作ではヤンチャと言うにはメチャクチャすぎる弟のせいでどんどん追い詰められていき、その上自由奔放な娘にも振り回され、妻にも愛想をつかされているという、なんだか同情するしかない中年男を演じている。苦悩と怒りと多くの後悔、それでも心の底には優しさと正義がある複雑な人物を、英語を駆使しながら演っているところがすごい。

 

最近、窪塚どーしてる?と検索して知った本作、高い評価を得るもシーズン1の全8話で終了とのこと。まだまだ事件は解決していないのにシーズン2の製作はキャンセルされた。

たぶん物語の中にいろいろな要素を盛り込み過ぎ、複雑奇怪で視聴者もしんどかったのではないか。兄弟の追いかけっこ自体がなかなか進展しないし、見ていてもどこで(見るのを)辞めるべきなのかわからない。で、だらだらとどーなるん?て見ていたら、8話でキーパーソンのモッくん(本木雅弘)が殺され、勇人(窪塚)は日本に残した妻子に会えないまま。健三(平)とイギリスの女性警官セーラとの大人の恋はどうなるんだ?と次の展開に大いに疑問を残したまま、ぶちっとシーズン1が終わった。

平岳大、窪塚洋介も良かったけれど、本作で見つけた男娼ロドリー役のウィル・シャープの好演が光った。もともと偏見でイギリス人俳優って好きなのだけれど(だって、シェークスピアを生んだ国だよ!)ますます確信をもっていいなーと感じた。イギリスの灰色の空に象徴される湿ったダークな風景と、ゲイの青年の残酷と繊細さと、どこかで自棄している様、そしてなんといってもキュートだった。