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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「半分、青い。」- 15

清野菜名演じる裕子ちゃんと鈴愛のシーンは、これまで何回も涙した。

裕子ちゃんが漫画家をあきらめる時、裕子ちゃんが結婚する時・・・。共に夢を追い、青春時代のつらいも楽しいも共有してきた女友達。いつしか見ているこちらも同じ友達目線で二人それぞれを、また二人の関係を見ていたことに気づく。

彼らが泣くのと一緒にこちらも泣いたから、今日、裕子ちゃんの遺骨を抱きしめて泣く鈴愛を見て、二人よく抱き合って泣いたり笑ったりしていたね、とそのシーンを思い出し号泣しました。

半分、青い。」あと2回です。

 

「樹木希林を生きる」(NHKスペシャル)

「女優」という職業の人たちは、なんて孤独で孤高なのだろう。改めてこの密着取材のラスト、樹木希林の後ろ姿を見て思った。

スクリーンで観る飄々としたおばあちゃん、どこか諦観したような抜けた感じ、そういうたぐいのものは、インタビューに答える希林さんからは見られない。遠くない死に向い確実に歩む自分と向き合い、自分と関わる人に対して、最後に自分ができることは何かを真剣に考えあぐねる人がいた。それは密着取材をするディレクターにも向けられた視線でもあった。

ああ、こういうことか。「人のために祈り・・」とは。

半世紀以上女優として、何人もの女や時には人以外のものにも成って生きてくれば、あのようになれるのか・・・。

あんな風にはなれない。あんなに孤高ではいられない。

打ちのめされた。

静謐な中に小さく赤く燃える炎、あるいは線香花火の火の玉のようなものを、痩せた背中の奥に見たような気がした。

 

 

「半分、青い。」- 14

涼ちゃん、身勝手過ぎるーーー!!

鈴愛が、母親だけの子育てに少しだけ自身を失っているところへ、「やり直さないか」とはっ!!

ありえねー。あの別れ方、あの去り方、自分の夢を優先して、母子を捨てた男が成功したからといって、人の弱った心につけこんで何を言うか!

鈴愛、揺らいではいかん。律がいるではないか。

 

と、必死でドラマの主人公に向かって叫んだ今日でありました。

カンちゃんのため・・・って考えるかしら?

「散歩する侵略者」(2017年)

長澤まさみって演技上手くなったよねー。(何様?)

彼女の駆け出しの頃の映画も何作か観ていて、どの作品で開眼したのかわからないけれど、「海街dairy」でも以前の彼女と違うと思ったし、「真田丸」の後半も良かった。(「真田丸」は後半からしか見ていない)

以前「隠し砦の三悪人」を観た時、松本潤を含み、なんかひどいなーと思ったんだけど。あれから幾年月か・・。

 

松田龍平高杉真宙恒松祐里の3人は、宇宙人にしか見えなかった。そして牧師の東出昌大、聖書の言葉を駆使して愛を語っても、それを”実”としてイメージできない宇宙人の松田龍平に愛を伝えられなかったという、うさん臭さをはり付いた微笑みと長身で体現。

地球征服のために送り込まれた3人の宇宙人は、人の体を乗っ取り、人々から概念を盗み集め、地球人の情報を彼らの星に送り侵略を誘導する。

 

妻(長澤まさみ)の夫(松田龍平:宇宙人に乗っ取られている)への愛が、結果地球を救ったことになったのだが、壊れかけていた夫婦関係が、宇宙人に乗っ取られ別人になったおかけで修復されていく過程が弱かった。もう少しそこ、丁寧に描いてほしかったなー、と思った。

宇宙人としての言動は危うく、放っておけない、自分がいないとどうなっちゃうかわからない夫への母性本能?プラスかつて愛した男だし。夫から地球を征服しに来たことを伝えられ、宇宙人であると確信しても、当局に突き出すどころか一緒に逃亡する。そしてついに侵略が始まったその時、人類の持つ概念の数々を盗んでいった宇宙人が、最後まで盗めなかった「愛」を自ら盗めと夫に差し出す。

「愛」を知った宇宙人は、地球征服を止めることになり、「愛」という概念を盗まれた妻は放心のまま、そのほかの概念を盗まれた人たちが手当てを受ける病院にいる。そして松田龍平は宇宙人なのに「愛」を知ってそのまま地球に残り、妻に寄り添うことになる。

前川知大が主催する劇団イキウメが2005年に初演した作品の映画化とのことだが、確かに舞台での展開が容易に想像できるお話しだと思った。

最後の野戦病院みたいなところで、小泉今日子が医師役でカメオ出演。えらく貫禄ありました。

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樹木希林さん

樹木希林さんが亡くなった。

「見事な女性でした。」と、夫、内田裕也に言わしめたのだから、本当に見事に妻を、母を、そして女優を生きた女性なのだと思う。

この「見事な女性」という言葉に、ひどく感動した。

見事な作品、見事な花、見事な生き方、死に方、見事な采配、見事な演技、とかはよく聞くけど、人そのものを見事な社長とか、見事な青年とか、あまり聞かない。

しかし、樹木希林を指して、見事な女性と言ったのが全くその通りで、誰も疑わず、よく言った!と皆思ったのではないか。

内田裕也、なんだか妻の訃報直後にテレビに映った姿は弱々しく、若かりし頃の武勇伝(?)と希林さんとの夫婦のエピソードを聞くにつけ、なんてバカ野郎だろう、と思うことをしきりにだったけど、妻の死から数日経って、発した言葉が最高すぎて、この老いたロッカーに尊敬の念を持った。

誰が何と思おうと、二人で育んだ年月の、二人だけが知る豊かさや可笑しみや、いとおしさがあるのだ。

 

樹木希林は、晩年に向かえば向かうほど出演作も増え、役も大きくなった気がする。演技はそりゃすごい。一度、ある映画の撮影現場を見学する機会があり、ちょうど希林さんのシーンの撮影だった。遠目だったけど、おいおい泣いた後、カットがかかったとたんすぐ普通に戻ったのを見て、切り替えの早さに驚いたことがある。

 

人生の終盤にものすごいたくさんの実を付けるということ。そのためには、それまで絶えず根から栄養を吸収して、幹に蓄えておかなくてはならない。

希林さんのような、生き方ができたらいいなあと思った。

 

「星ガ丘ワンダーランド」(2015年)

朝ドラでプチブレイク中の中村倫也主演。

菅田将暉の出番はすごく少ないけれど、2015年菅田君、22歳くらいの時だからそんなものかしら。登場シーンの半数以上は感情爆発シーン、その半分が母の死を前に大声で号泣と、中村倫也を殴りまくるというもの。この作品の時、髪型はマックスに変てこ。

 

作品については、CMクリエイターとして脚光を浴びていた柳沢翔の初監督作品ということで、確かに映像は美しい。北海道(?たぶん)の美しい自然のせいもあると思うけど、背景に流れるピアノの音と映像が合っている。”母親の死は本当に自殺なのか?”という、ちょっとしたミステリー仕立てな本筋に平行して繰り返し映される、主人公の内面にある幼いころの記憶、それが曖昧になっているだけにファンタジーの要素が加わって優しい映画という印象に。たぶん、中村倫也の醸し出す雰囲気も手伝っていると思う。

 

今回は映画云々、菅田将暉云々より、脇で出演している市原隼人について。

ごみ収集の従業員の役なのだが、そのいで立ち、佇まいをどこかで観たぞと思ったら、「闇金ウシジマくん」のラストで出てきた大島優子の彼を演じていた市原隼人とかぶったのだ。

市原隼人、私がドラマや映画で目撃する彼は、だいたいが実直で熱い男を演じていることが多く(「無限の住人」「女城主 直虎」では違ったかも)、なんか市原隼人が出てくると、あ、ここで主人公は救われるはず・・なんて勝手に思ってしまう。そのくらいあの顔が物語る。「闇金」も本作も登場シーンはあまり多くなく、そのちょっとの出演で役よりも市原隼人のキャラが立ってしまうという、俳優にとっていいんだか悪いんだかの現象が起こる。でもその意味で唯一無二の俳優さんなのかもしれない。

「あいくるしい」の時の(調べたら2005年のTBSドラマだった!)二十歳そこそこの彼の、熱く一生懸命な青年は確かに良かったんだけどな。余談だが「あいくるしい」には、綾瀬はるか、子役時代の神木隆之介、初々しく本当にかわいかった沢尻エリカも出ていて、脚本が野島伸司というのだから、すごい布陣のドラマだった!

星ガ丘ワンダーランド

 

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「民王」(2015年)

2015年、テレビ朝日で放送されたドラマ。

当時私は菅田将暉のことをたぶん知らなかっただろうし、(「ごちそうさん」で見ていたのだが、ボウズの菅田くんはあまりピンとこなかった)、遠藤憲一も怖い顔のおじさん程度にしか認識していなかった。なので当時このドラマもまるでノーマークだった。

不覚過ぎる!今見ても、主演二人の上手さが際立ち、めちゃくちゃ面白い!

 

特に遠藤憲一、今さら言われたくもないだろうが、あのワニ顔の強面で(劇中でワニと言われていた・・・)、ナイーブな22才の、そう!まさにあのドラマの中の心優しいバカ息子の菅田くんが中に入っているとしか思えない演技。ギラギラを消した目とオドオドした様子。やっぱり凄い!遠憲さん。

そしてブレイクのきっかけとなった?高橋一生の、これが彼の演技の骨頂!が見られて本当に良かった‼ めちゃくちゃはまり役。彼だからここまで可笑しいんじゃないかとさえ思った。ほんと笑いました。

菅田将暉は、頼りない草食系男子と、それと真逆の遠藤憲一演じるキレモノで傲慢な政治家(首相)キャラをひとつのドラマで見事に演じ分けていた。息子の体になったオヤジが、好きな酒を体が受け付けず、日本酒を飲んでは牛乳で中和する、という謎の飲み方をしていたけど、菅田将暉の普段から食事に牛乳、いつでも牛乳という牛乳大好きエピソードを知っているだけに、内心喜んでやっていそうな彼を見てほくそ笑んでしまいました。

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