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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「ステップ」(2020年):久しぶりに「破獄」の山田孝之を見たくなる

私が知っている山田孝之は、Netflix制作ドラマ「全裸監督」での挑戦した演技での高評価(特に業界、玄人に、たぶん)。少し前では「dele」という連ドラで菅田将暉とW主演し、車椅子の変わり者の演技がとてもナチュラルだった。

また、映画「闇金ウシジマくん」では何を考えていて、突然何するかわからない、とても怖い間=沈黙の取り方をする俳優という印象。林遣都や中村倫也が出演していた、遊び心満載の「Replay & Destroy」では、飄々とした何ともやるせない感じの監督志望のフリーターが演技じゃない感じがした。

そう言えば「全裸監督」でも「Replay & Destroy」、そして本作品「ステップ」でも伊藤沙莉が共演していて、いい味出してました。

山田孝之が20代の頃の、イケメンならではのキラキラしていた役、作品に出演していた頃を観ていないが、ただのイケメン俳優では終わらない、やはり何か曲者な感じのする俳優だよね。しかし、本作ではその曲者感がまるでゼロ、男手一つで子育てに奮闘する、普通のサラリーマンの10年間を演じている。

何がすごいと言えば、娘役は2歳から13歳までに3人の子役で演じたが、山田孝之はもちろん一人。その年齢を重ねていくさまが秀逸だったこと。髪に白髪を挿したりはまああるんだろうけど、肌もメイクで何がやってんのかなー、と思えるほど表情や出で立ちで確実に10年の時を感じさせてくれた。

 

妻を無くし2歳の娘と共にシングルファーザーとして、子育ての諸々の困難、仕事、親戚付き合いなどをこなし、乗り越え成長していく男と家族の話。ものすごくエモーショナルに描くわけでもなく、過剰な男の涙もなく、二人を見守る祖父母や伯父たちの目も優しい。

劇中で出てきた「変化する家族」という言葉がタイトル「ステップ」につながるのかなあ。

歳月は子供の成長という変化だけでなく、亡き妻への思いの変化、周りの状況の変化を余儀なくする。それらの中でもずっと変わらなかった上司の信頼と厚意。変わるものと変わらないものがあるけれど、受け入れで対応していくしかないんだなあとしみじみ感じた。

 

そう言えば、山田孝之といえば「破獄」という、初回緒形拳×津川雅彦で放送されたドラマのリメイク版に出演していたことを思い出した。緒形拳バージョンを見たとき、物凄いものを見た!雷に打たれたような感想をもったけど、あの緒形拳に匹敵する純粋な執念深さを持つ囚人を演じられるのは山田をおいていないなあと、リメイク版を見た時に感じた。津川の役はビートたけし。こちらはビートたけしのほうが良かったな、個人的な感想だけど。

「破獄」は、私の中で今のところ山田孝之のベストな作品だ。

 

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