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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「ミナリ」(2020年):タイトルが作品の本質をすべて語る

1980年代、アメリカで成功を夢見た韓国移民一家の物語。
祖母役のユン・ヨジョンが、アカデミー賞でアジア人女優として2人目の助演女優賞を受賞し話題になり、私の中ではその受賞の瞬間と彼女のスピーチが印象に残っていた。

 

心臓の弱い長男のデビッド(アラン・キム)は、両親、特に母親のモニカ(ハン・イェリ)からは心配され大切に育てられている。
父親のジェイコブ(スティーヴン・ユァン)が農業での成功を夢見て、田舎でトレーラーハウスに住むことになったが、病院から遠いことや、一からの農業に賭けることにモニカは難色を示している。
そして、土を耕し畑に水を引くことから始まった、ジェイコブの作物づくりはなかなか軌道にのらない。その度に夫婦げんかになる。
韓国に残したモニカの母、スンジャ(ユン・ヨジョン)をアメリカに呼び、同居し始めたことで、モニカの不機嫌は一旦収まったのだが….。

 

およそ”グランマ”・おばあちゃんらしくない明るく奔放な性格のスンジャと、孫のデビッドのやり取りが微笑ましいが、病気を抱える少年の身に何か大変なことが起こるのではないかとハラハラしながら観てしまった。
遊びと言えば花札だし、少し遠い沢までデビッドを連れ出したり、おばあちゃんの子育てはおおらかで大雑把だ。しかし、時にそれが神経質すぎる子育てより、結果オーライになることも。

 

何度も振りかかる困難にめげず、ジェイコブが懸命に働く姿に心を打たれた。農業での成功は自分の夢ではあるが、実際は家族により良い暮らしをさせたいという一念なのだ。とーちゃん(親)は、こうでなきゃ!

 

― タイトルの「ミナリ」は、韓国語で香味野菜のセリ(芹)。たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている。―

鑑賞後、公式ページのこの一文を読み、ああ、タイトルが作品の本質を本当によく表していると思った。そして、なんと尊い家族の物語だろうとも。

自分のために働き、生きるのではなく、子供(次の世代)のために働き、生きるということが、当たり前であることを改めて思い出させてくれた作品。
何のために生きる?なんて自問する必要なんてなかったんだなー。(若かったころの自分に言っています)

 

ミナリ(字幕版)

ミナリ(字幕版)

  • スティーヴン・ユァン
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