芳根京子の演技力がテッパンであるのは、以前視聴していたドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」で確認済み。その彼女が、サイコパス?と思われるような父親殺しを犯した女子大生の役ということに興味を引かれて鑑賞。
芳根京子の演技は想像通り素晴らしかったが、主演の北川景子、相手役の中村倫也をはじめ、毒母を演じた木村佳乃も、それまでの彼らのイメージと違った意外性マックスが素晴らしかった。(特に木村佳乃!でもこの人、時々毒母の役やっているかな・・?)
そして窪塚洋介がふつーの人のいい夫を演じていることに感動すら覚えた。私の中で窪塚洋介は、ちゃらんぽらんだったり普通に見えて実は根性が歪んでいるという役のイメージが強かった。その彼が、どこをどうとっても”いい人”を演っているのが新鮮で、前半はそこから目が離せないくらいだった。
臨床心理士の由紀(北川景子)は、父親を殺した動機がわからない、という環菜(芳根京子)に接見し彼女の心を探るうちに、自らが抱えるトラウマと向き合うことになる。環菜の国選弁護人となった、由紀の義弟の迦葉(かしゅう/中村倫也)と共に、環菜の過去を調べる中で、環菜が思春期に受けた両親からのありえない心理的虐待などを知ることになる。同時に由紀のトラウマや迦葉と由紀の過去、夫の我聞(窪塚洋介)の馴れ初めなどが描かれる。
終盤、由紀が心優しい夫我聞に自身のトラウマや迦葉との過去を打ち合け号泣するシーンがある。カタルシスにもとれるそのシーンで北川景子の顔が号泣しすぎてぐしゃぐしゃにもかかわらず整っている・・・それを優しく抱きかかえる窪塚洋介が、きっと(北川景子、顔が涙でぐしゃぐしゃなのにカワイイ・・)って思ったんじゃないかと、余計なことを考えてしまった。しかし邪念の中でも、このシーンの北川景子の泣きの演技は素晴らしいと思った。
子どもにとって親の存在がいかに大きいか。両親を含み大人から護られるべき子どもが、性の対象や所有物のように扱われたりする事実。彼らが受ける心の傷の深さを改めて思い知った。
なかなか重いテーマだったが、写真家でもある我聞の個展で飾られていた異国の父娘の写真、そしてもう1枚の家族写真に救われる。
最後に、「ファーストラヴ」のタイトルについて考えが及んだ。何のことを、あるいは本作のストーリーの中でどの部分のことを言っているのだろう。環菜と由紀にはそれぞれ”初恋”と呼べる過去が描かれていた。そのこと?いや違うような気がする・・。原作を読んだらわかるのかなあ。
オマケ:「コタキ兄弟と四苦八苦」感想は、-7まであります・・
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