はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「しんがり」‐2  (2015年) WOWOW連続ドラマ

週末一気見しました。

バブル崩壊後、山一証券が自主廃業する前後、社内上層部で逮捕者や死人が出る中、なぜ不正は長期にわたって続いたのか、なぜ2600億円もの不良債権に膨れ上がったのか、社内監査を担当する、当時社内で場末と言われた業務監理本部のメンバーが破綻に向けて敗走する100年企業の"しんがり"となって究明していく。

巨大組織の中で緻密に計算された数字マジックで、何年もの間不正は隠蔽され続けたが、その始まりは男二人の権力争いから始まった事実。それにバブルの崩壊が重なり、その後甘い読みのまま負債を転がすことで膨らまし、最終的にはどうにもならなくなったというのが(ドラマの中での)真相だった。

金融証券の話だし、経済ミステリーのようで面白かった。

 

当時、パソコンが使えないおじさんたちの中で、パソコンが得意という若手社員=吉岡を演じた林遣都。吉岡が使うデスクトップの大きなパソコンが懐かしい。

会社への愛着・執着を持つ中堅以上の"ろうとる"メンバーとは違い、株を介して夢を売る商売だと信じて証券会社に就職した若者が、会社の中で信じられるものを失っていき、迷い、怒り、逃げ腰のままドラマの話の半分が経過する。しかし、会社の顧問弁護士の姿に打たれて、今の自分ができる仕事をおじさん仲間と共に積み重ねていく。繊細で精神的にひ弱だった若者が成長する様は頼もしい。

 林遣都、実年齢より上の役だったけど、普通の若者、サラリーマンを好演していました。

 

奇しくも、このドラマを一気見した頃、日産のカルロス・ゴーン会長逮捕のニュース。彼にかけられた容疑が本当なら、5、6年にわたり不正に使われたお金は、一部の人間だけで秘密裏に流されたのだろうか、会社の金なのに財務部が把握していなかったという。

こちらも会社という多くのステークホルダーが関係する組織で、一人の権力者の私的な問題から始まって最終的には大きな問題となり、もはや私的にすまされなくなり、今度は会社のためという大義を複数人で共有して隠蔽が引き継がれていったのではないか。山一と違うのは、会社が倒産する前に社内告発した健全な社員がいたということ。

私の中で、見たばかりのドラマと現実のニュースが激しくリンクして、暫し考え込んでしまいました。(日産のケースはまた違った問題なのだろうけど。)

 

ドラマのラストシーンで山一を去る江口洋介が息子と写真を撮るのだが、看板を下ろされた社屋の前で山一の社旗を持って写る様が何とも言えない。あの当時、大企業に身をおいた日本人は愛社精神が半端ないんだって改めて感じました。その後、実際に山一証券は元社員によって復活しているものね。もちろん新生山一証券として。

骨太なドラマだった。主演の江口洋介はもちろんのこと、萩原聖人、佐藤B作、勝村政信矢島健一、そしてもちろん林遣都。皆渾身の演技。無名だけれど実際にいた、しかも偉業を成し遂げた人たちへのトリビュート。

すごい話だったなあ。

 

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