卵をとく時は、箸を平行に持ってボールの底をひっかくように12.3.4.5.6.7.8.9.10.往復し、ボールを90度回して1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.。さらに90度回して、、、と、賢二がやっていたように今ではやっている。賢二(内野聖陽)が、シロさん(西島秀俊)のためにだし巻き卵を真剣に作るとシーンを思い出しながら。
シロさんの手慣れた料理の作り方よりも、大きな手で、作り方を声に出して言いながら一生懸命作る賢二の料理手順のほうがなぜだか頭に入っている。
こんなに大きな展開がないドラマも珍しいだろう。カップルで暮らしているなら(敢えてゲイとは言わない)起こりうる、嫉妬心や誤解や、ツンデレで相手を傷つけてしまったり、ダブルデートしたり・・。そんな男同士のカップルの日常を毎週楽しみに見てしまうのは、やはりこのドラマのキャスティングが功を奏しているとしか言えない。
ドラマが進むにつれ、内野さんが少し華奢になってきたような気がするのは気のせいだろうか。役者さんなら役に入り込んでしまうだろうから、無きにしも非ずだ。あんな乙女な賢二だもの。シロさんと暮らすうちにセンが細くなってもおかしくない。賢二の健気さと、賢二を見るシロさん(西島さん)の優しい笑顔を見たくて、深夜にも関わらず毎週きちんとテレビの前にいる。
そして、先週シロさんが気づいた、毎日もう1皿・・とおかずを増やしているのは、賢二がいるからなんだよな、ってこと。それは毎日何作ろうかなって考えている私も同じ。そう、”愛は食卓にある”のだよ。(確かキューピーマヨネーズのCMコピーだった。)