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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「教場」

鬼教官と軍隊ばりの規律と統制、過酷な訓練。イビリとも取れる罵声を伴う指導、、ということで、古いけど「愛と青春の旅立ち」(今思うとものすごくクサイ邦題だな。原題は"An officer and a gentleman"。  ラストの制服姿のリチャード・ギアにやられた女子は多かった!)を思い出した。

 

放送前から怒涛の番宣で、主演の木村拓哉もフル稼働の印象。白髪・義眼の厳しい表情のキムタクの画像と共に緊張感溢れる音楽。警察官の資質に欠く者を振るい落とす警察学校/教場で起きる事件をミステリー仕立てに展開しながら、卒業までの彼らの成長を描いていく。

と、言うから、駄目なヤツ(生徒)も一緒に成長していくのかと思いきや、本当にドロップアウト(退校)して行くのよ。

予告から既に最もダメそうな生徒を演るってことで露出していた林遣都。根性なしでイジメられキャラから成長することなく、腐った魚の目線を最後にお茶の間の視聴者に投げて画面からフェードアウト。って?どーゆーこと??しかも二夜連続ドラマの初日の前半には脱落しているのよ。最初の脱落者だから。

牧凌太を演じた林を封印して、陰気でヤバい狂気の演技がすごかったとネットで絶賛されていたけれど、今に始まったことではない。私は「チェリー・ボーイズ」のクンニ役で、相当キモイ林遣都を目撃している。

 

さて、平田(林遣都)を皮切りに、性格に問題があり事件を起こして辞めていった者たちよりも、家庭の事情で辞めざるを得なかった生徒、枝元(富田望生)の、風間教官(キムタク)への淡い恋心が、殺伐としたドラマ全体の中で唯一柔らかいシーンとなっていた。また、枝元と、自己中心的だった菱沼(川口春奈)との女の友情がこの教場というドラマの中で異彩を放っていた。だって普通、男同士の友情だったりしそうでしょ?こういうシチュエーションなら。(見事に最初にその期待を裏切ったのは林遣都演じる平田とほぼ主役の宮坂(工藤阿須加)だけど。)

生徒たちの個人的事情や事件を乗り越えていよいよ卒業に近づく時、最後に解き明かされた味方良介演じる都築の告白が1番心を打った。はっきり言って、全部持っていった!と思った。彼の告白を聞いた後の風間の一言も心に響く。そして、風間の生徒への愛情がきっちり描かれたところだった。

 

最初から最後まで、木村拓哉笑顔なし。主役ではあるがあまり台詞も出番も多くない。そして、何よりも”受け”の演技をしているキムタクがそこにいた。

キムタクの真骨頂ではないだろうか。(「グランメゾン東京」でも”受け”の演技と誰かが言っているのを聞いたので、これが初めてではないのだろうが、私は「グランメゾン」を見ていないので今回の風間を演るキムタクがとても新鮮に映った。キムタクがさして無理をせずに自然にやりそうな、”いかにもカッコいい”ポーズやフリは一切なし。動きさえ押さえていて、記憶に残るシーンと言えば、学校の花壇に水をやるグレイヘアーのキムタクの後ろ姿なのだから大したものだ。

と、ここまで書くと、相当なキムタクファン、もしくはウォッチャーか?と思われるけど、決してキムタクファンではない。

ただ30年以上、芸能界のトップを走り続け、出続けている人として、やっぱり木村拓哉は観るだけの何かをもっている気がする。(「当たり前やで」と、どこからかのツッコミを感じます。。)

若手俳優たちのキムタクへの敬意を見ていると、木村拓哉は(その人の物まねが得意な)田村正和的ポジションを通り越して、高倉健の境地まで行きそうな予感がしたよ。(演技が平板という意味で、当たらずも遠からずじゃないと意地悪に思ったけど、今回のドラマを見てそれも撤回かな。)

男の熱い友情物語的要素が全くない、ラストは本当の師弟愛を感じられた骨太のドラマだった。(ちなみに卒業生一人ひとりが最後の教官に贈る敬礼シーンも「愛と青春の旅たち」で同じようなシーンをみたぞ。しつこい・・)

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