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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「小公女セイラ」(2009年) -2

お話の後半、6話に入る頃には20人のお嬢様が1学年しかいないミレニウス女学院や、学院の屋根裏が使用人部屋で、そこに暮らすセイラ(志田未来)の友だちがCGのネズミ2匹ということなどに、何の違和感も抱かなくなった。

学院のそばにあるお屋敷が、”クリス様”と執事に呼ばれる要潤の屋敷であることも、もはや驚かん。その割に、使用人カイト(林遣都)の実家の描写は妙にリアルで田舎の、人の良い家族の元で育った、ちょっとシャイで純朴な青年のカイトは林遣都本人と妙に重なる。

それにしても林遣都の10代後半の役ときたら!あんなに綺麗な顔をしているのに、スマートでシャープなイケメン役が少ない。女優と本格的に恋愛で絡んだ作品てあったっけ?(「レジデント 5人の研修医」は見ていないのだけど、どうだろう?「カラマーゾフの兄弟」は?)

最終回でセイラとしばし離れる時のキスシーン。唇を重ねたとき、すっと一筋の涙が落ちる……のほ普通女子の方だろうが‼️ 遣都カイトの自然な涙は美しいけれど、やっぱりお前じゃない、涙を流すのは!と突っ込んだのは私だけだろうか。志田未来セイラがとにかくテッパンのようにツオイのだから、彼女に涙が流れないのは当たり前か。彼女が流すのは悔し涙しかない!

というかこの話、志田未来セイラにとどまらず、とにかくめちゃくちゃ強い女しか出てこない。セイラを不幸な境遇に落とし入れる(樋口可南子)院長先生、ライバル心をメラメラ燃やし徹底的にセイラを虐める(小島藤子)真里亜も、ものすごく、ものすごく強い。そして、書き留めておきたいのだが、(志田未来)セイラと(林遣都)カイトの若い二人の主役のほかに、彼らと同じくらいの尺で登場した、(樋口可南子)院長先生とその妹の(斉藤由貴)笑美子先生のコントの存在。この姉妹のやり取り、演技達者な2人の女優さんが、めちゃくちゃ楽しんで演っているのが分かって、回を追うごとに期待してしまう。そして、本当の主役は、同級生だったセイラの母の呪縛にずっと苦しめれ、物語の最後にそれから解き放たれた(樋口可南子)院長先生だったのではないかと思った。

”女の子はみんなプリンセスなの”(だから誇りをもって、どんな境遇でも前を向くの)が口癖のセイラの母の鼻持ちならぬお嬢様ぶりと、強さと、明るさに、見ているこちらもげんなりしたし、心底院長先生に同情したものだ。

ということで、あらすじにはほとんど触れなかったけれど、いろいろ突っ込みながら楽しめたし、実はとても深いテーマに真正面から取り組んだドラマのような気がする。それを時代がかった設定で展開していく本作を、ムリムリムリとチャンネルを変えさせずに見せたのは、やはり志田未来のま真っ直ぐで強い瞳、偽善を偽善と感じさせない説得力のあるセイラ像を確立したことによるように思う。