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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(2007年):オダギリジョーと松たか子のカップル、ここでも破局

発売当時に原作を読んでいた。読んだ後、最後のオカンの手紙で涙が止まらず布団の中で嗚咽した記憶があり、映画を観るとヤバいと思ってずっと観ていなかった。

今回観たきっかけはオダギリジョー。先日終了した連ドラ「大豆田とわ子と三人の元夫」で、オダギリジョーの演じる小鳥遊の佇まいと、彼の過去の壮絶さ(中高生の頃から親の介護を担ったヤングケアラーだった)のギャップが大きく、仕事上の冷徹さとプライベートの飄々としたゆるさが憎めずセクシーだった。ということで、今更だけどオダギリジョー作品を追うことに。(必死で追っているわけではない。だって出演作膨大ですよ!ムリムリ)

 

さて、本作は最近は俳優として見ることの多いリリー・フランキーの自叙伝の映画化。かなり忠実に原作を映像化していると思った。そしてオカンの若い頃を樹木希林の娘の内田也哉子が演じていて、顔のディテールは也哉子さんのほうが美人さんだと思うけれど、全体の雰囲気がそっくりで、これ以上のキャスティングはあるまいと唸ってしまった。それだけでキャスティングされ出演したかどうかは知らないが、女優としての内田也哉子は、なかなか味わいのある演技でとても良かった!

また、主人公マー君ことリリー・フランキーの、何か熱いものに取りつかれて・・というよりは流れに身を任せ、好きなこと、やれることをやっていく半生を描くのに、オダギリジョーの風体はピタリとはまる。

そして、希林さんは今更言うことでもないけれど、うまい、めちゃくちゃリアルだ。演じたオカンは境遇的には厳しいはずなのに、楽観的で働けば何とかなるの精神で、息子への愛を途切れることなく注ぐ。
美大を留年した息子に「あらあ、なんで頑張れんかったんかねえ」と𠮟り飛ばすでもなく、ぼやいたあげく、学費は何とかするからあと1年で卒業するよう発破をかける。(これ、自分の子どもが同じ状況だったら言えるだろうか・・。このシーンは今でも反芻する。)お茶目で誰からも愛されたオカン、抗がん剤治療で苦しむオカン。すべて樹木希林のオカンは、マー君のオカンそのものだったような気がする。

時々現れるオトンに小林薫。親友に勝地涼。結局別れてしまうけれど、オカンのことを慕ってくれた恋人に松たか子。チョイ役で宮崎あおいや小泉今日子が出演していて、観ていて驚くような俳優陣だった。

ということで、俳優たちは役の大小に関係なく光っていて見応えがあったのだが、映画全体としては原作を超える感動がなかった。私が、原作を読んでいてディテールまでかなり覚えていたせいだろうか。

 

第31回日本アカデミー賞で、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演女優賞(樹木希林。大きく納得!)、最優秀助演男優賞(小林薫)、最優秀脚本賞。そのほか、優秀賞なら、オダギリジョーや内田也哉子、松たか子らも受賞。こんなにその年の日本アカデミー各賞を総なめしていたとは・・・! 

北九州の炭鉱の町で生まれた主人公が、炭鉱の町の荒廃を後に東京で何者かになろうとしながら、母親、そして父親を想う。その母子、そして父子の関係が崇高なのかもしれない。よくわからないけれど、評価されたのはそういう当時の時代背景、普遍的な母の愛、そこを丁寧に描いたところなのだろうか。(今更の勝手な推察)

余談だが、30歳と思われる松たか子を見て、彼女は年齢を重ねてきれいになっているような気がした。

 

 

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