第5話は、鈴之介(林遣都)のバックグランドが紐解かれた。どうしてあの洒落た洋館に1人で住んでいるのか。同時に、鈴之介が怪しいと見張っていた小説家・森園(安田顕)も正体を少しずつ現していく。
鈴之介と森園、二人の緊迫するシーンは、緊迫していればいるほど可笑しい。鈴之介がぎゃーって怖がっているのは森園の顔そのものであること、森園も鈴之介の叫び声に呼応してギャーって叫んでいること、大の男二人のギャーギャーがハウリングしてめちゃくちゃ可笑しいのだ。
ところで、今回も名台詞あり!「シャンプーとんとん」は、また番組公式SNSでやっている”視聴者が選ぶ名場面”に入るのかしらん。(鈴之介が怖いのは、シャンプーしているときに、肩か背中をとんとんされた時だけらしい。しかし、オバケも相当怖がっている模様)
森園に地下室に監禁され、過去を追求されることで、鈴之介は自分の過去を振り返ることになる。鈴之介が夢の中で、少年だった頃の自分に話しかけるシーンは、まさに鈴之介が自分を肯定していく成長の過程だ。
自分らしくて、いいということー。
人と比べて違っているところが多い、人と調子を合わすのが苦手。
自分の好きな世界があること。
周りと仲良くなるためには、そういうところを直すべきなのではなく、そのまま自分らしさを大切にしていいんだよ。少年の自分に語る鈴之介は、ようやく自分にYesと言えたのだ。
鈴之介が住んでいる洋館は、1年前に知り合った老女の住まいだった。老女と鈴之介の出会いと交流は、二人に予期せぬ気持ちの変化をもたらし、老女は鈴之介に”自分らしくいていい”と諭して、突然逝ってしまった。洋館を鈴之介に残して。
林遣都の泣きの演技が素晴らしさは言うまでもないが、「ちょっとおしっこ行ってきます」からのトイレから聞こえる嗚咽。くうぅぅ、泣けた―(ジョン・カビラ入ってます)
しかし、なんて優しいメッセージだろう。
今の時代、SNSのテキストで交換される”コミュニケーション力”はかなり重宝される。また、多様性の受け入れを重視する職場でもコミュニケーション力は重要なスキルだ。
しかし、それが最初から備わっている人ばかりではない。ほとんどの人が頭を打ちながらそれを身につけていくし、なかなか身につけられない人だっているのだ。
だからといって、その人にいいところがないわけではない。
コミュ力がないからと言って、その人と関わるのをやめたりおざなりにするのはもったいないことだ。
いくつか事件を4人で解決してきた事実、そして鈴之介の過去を知った悠日(仲野太賀)、琉夏(柄本佑)、星砂(松岡茉優)。そして3人が自分を心配してくれたことを知った鈴之介。4人がきっちりそれぞれを受け入れ、友情を意識して繰り出したカラオケでの弾けっぷり!林遣都の”歌へたくそ”(愛をこめて!)が、そのシーンに絶妙な効果を発揮していたのも素晴らしい。
最期に、今回いくつもの事件が提示され、ミステリーとしてもいよいよ目が離せなくなった。鈴之介が洋館をもらい受けた老女にかかわる2件、そして森園が話した中学生の監禁?殺害事件。そして本作の根底にずっとある、悠日の兄の事故死事件。
そして、ついに星砂の中にいる「へび女」が鈴之介の前に現れるー!
SOIL&”PIMP”SESSIONのテーマ曲が、次週への期待を一層盛り上げる。
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