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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「隣人X 疑惑の彼女」:まさに林遣都劇場

初日と日曜日、2回鑑賞。
2回観て腑に落ちること多々あり。上野樹里と林遣都がなぜキャスティングされたかもその一つだ。
林遣都は、志はあるけれど高邁な精神を持つわけでもなく、優しくて時に矮小にも見える青年の役。話が進むにつれどんどん全方向から追い詰められ、観ていてかわいそうになった。特に終盤の自分の部屋での衝撃の対決シーンの遣都は圧巻だった。

上野樹里は能面のように抑えた演技。動揺することが極端に少なく、最後までこの人はXなのか、Xだからこんなに落ち着き払っているのかわからない。地味だけれど知的で自分をしっかりもっている”普通の女性”が魅力的だった。

作品のテーマはシンプルだと思う。
誰もがもつ無意識の偏見をあぶりだし、日常に軽く吐いた言葉がどんなに人を傷つけることがあるかを問い直す。そして無知や知ろうとしないこと、理解しようとしないことが、人と人の間に壁を作り偏見につながることを描いていた。

 

日本が受け入れを決定した、惑星難民X。
彼らは最初に触れた人間をスキャン&トレースして人間の姿になることができ、かつ人間を傷つけない性質があるというが、人々は人知れず社会に紛れ込んだXの存在に不安を感じている。さらにマスコミがその不安を煽る。

林遣都演じる雑誌記者、笹憲太郎はスクープを上げられず解雇寸前。祖母の老人ホーム利用料の督促もあり、Xの存在を暴いてスクープを上げなければ詰んでしまう。X疑惑のある柏木良子(上野樹里)に近づくために好意があると装い、彼女がXである証拠をつかもうとする。

良子へのアプローチから始まり、いくつかのステップを経て、突然彼女の父親に会いたいという展開まで、不自然に性急な笹の様子になぜ良子は疑問を抱かないのか。笹が良子への距離を縮めていく毎こちらは奇妙に感じたのだが・・。同時に笹の、良子を欺く行動と良子への愛情のはざまで七転八倒する様にふとドン・キホーテを思い出してしまった。

笹はXに対して違和感があり、どうしても受け入れを肯定的にとらえられない。多くの人もそう思っているから、Xの正体を暴かなければならないという大儀があるが、同時にXについて無知ゆえの疑心暗鬼、怯え方が半端なく、滑稽に見えたのだ。
知らないこと、見えないものに怯え、さらに周りからのプレッシャーで追い詰められていく笹の様子はまさに林遣都劇場!終盤のどんでん返しに唖然とし、そして大ラス(ラストシーン)の良子と笹の表情に救われた。

偏見だらけの笹だったが、良子に惹かれたのは”心の目”で彼女のことを見ていたからだ。そして良子も笹のことを不審に思いつつも、彼の優しさを”心の目”で見抜いていたのだ。

1回目の鑑賞では、Xが人間をトレースして人間になるってどういうこと?元の人間はどうなるの?あの人は結局Xだった?など、どうしてもXについて疑問が湧いてしまった。2回目はストーリーを追わずに落ち着いて観られ、疑問が私なりに解決し、笹と良子、そしてサイドストーリーとしての拓真(野村周平)と蓮(ファン・ペイチャ)のカップルの成り行きにもホッとした。

 

©2023映画「隣人X 疑惑の彼女」製作委員会 ©パリュスあや子/講談社

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