少し前の話になるが、第4話。賢二(内野聖陽)の美容院のスタッフ、田渕君(坂東龍汰)とその彼女千波(朝倉あき)の、カルボナーラが原因で別れたエピソードについて。
千波は彼女として完璧なのに、手料理が微妙に”おいしくない”という。
レシピ通りにやって味見もしながら作り、見栄えよく食卓に並ぶのだが、いざ食べてみると味がビミョーらしいのだ。そのことを本人も自覚していて、ある日田渕君がカルボナーラを作って一緒に食べた時、その美味しさに打ちのめされ、部屋を出て行った千波。美味しいものを一緒に食べた時の弾む会話、美味しいものを食べたという幸せ、、そんな料理を自分は提供できないと知り別れを選んだらしい。当の田渕君は、料理が微妙でも気にしていなかったようなのだけれど。
「不味くはないけれど美味しくもない手料理」ってのはきっと私もそうだ。作っている時の味見ではOKなのだけれど、食卓で食べると微妙に薄味だったり、逆にしょっぱかったりするのは日常のこと。3回作ってうち1回くらいが美味しくできたーと思うくらいだ。その美味しくできた!と思った料理も、家族から「美味しい」と言われたことはない。家族に料理を褒められた記憶はない。
夫とは味の好みが最初から大きく違っていて、20年以上料理を作ってきた中で、お互いその差を縮めてきたとは思う。しかし、もともと好みが違う上に私の料理がそんな具合だから、夫は長いこと微妙な料理に文句ひとつ(ほぼ)言わず食べて続けているのだ。
不味くはないが美味しくもない料理を、ずっと食べてくれている夫を気の毒に思い、感謝するべきか、、得意でもない料理をせっせと作り続けている(はい、確実に家族のために)自分をえらいとほめるべきか。
よくわからないが、とにかく田渕君と千波のエピソードは我がことのように堪えたわけだ。(もちろん、そんな理由で別れを選ぶメンタルではない自分)
昨日の第9話で、一人で食べる食事は寂しいことから、田渕君が彼女とヨリを戻したそうでメデタシめでたし。仕事ですれ違いになっていたシロさん(西島秀俊)と賢二も、一緒に食べる食事が一番幸せと再確認。そこに至るまでの、シロさんの賢二の健康を気遣ったメニューづくりや賢二のために料理をするシロさんが尊くて、それをわかっていていろいろ反応する賢二が面白くて、二人のやりとりに声を出して笑ってしまった。賢二=内野聖陽の間合いと表情はやっぱ最高だな。
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