愛犬を最後まで看取った人の話の中で、老犬は突然足が立たなくなると聞いたことがあった。4月に入って程なく、狂犬病のワクチン接種と毎年やっている血液検査をして、特に問題ないと言われたところだった。
この1年確かにあまり長い散歩はしなくなった。暑い日、寒い日、久喜は用を足すと、ぎゅっと止まって進行方向とは反対の家の方向に行こうとするのでそれに従った。12歳、今年の11月で13歳。家の中でもほとんど丸くなって寝ていることが増えた。
本当に、突然その日は来た。
いつも自分で好きな時に2階と1階を上がり降りし、私の後をついてきていた久喜が、階段の下で上を見上げて所在なげにいる。私が2階にいると、下でワンと小さく言って連れて行けと言う。ああ、そういえば、少し前に階段の途中で止まってワン、と言ったことがあったっけ。あれで、久喜は自分で上がりきるのが怖い、あるいは無理と思ったのだろうか。
家人が、決定的なことを言った。いつも彼が散歩に連れ出す時、久喜はリードがつけやすいように、玄関ドアに前足をつけて後ろ足で立ち上がっていたのだが、それをしなくなった、できないんだと言った時だ。
そのことを聞いた朝、涙が止まらなかった。(仕事に取り掛かってもしばらく)
突然、来るんだー。
でも思い返せば、階段を上がる速度は少し前から落ちていた。久喜は自分でしんどいと思っていたんだよね、きっと。突然じゃないよね、久喜としては。
そしてついでに言うと、私自身も久喜が老犬であることをいつも頭に置くように努めていたではないか。階段もタイミングが合えば抱っこして一緒に上がり降りしていた。
小型犬の寿命は15歳~16歳前後だと聞いていたけれど、近所の犬好きの人は、19歳や18歳まで頑張ったと言う人がいて、久喜も時々首が痛かったり、白内障を心配したりといろいろあったけれど、普段の動きは活発だったからまだまだ大丈夫と思っていた。活発な動きの象徴だった後ろ足で立って、おやつをおねだりしたり抱っこを要求したり、、そういえばこの数日していない・・・。
私は久喜の後ろ足が弱っていることが、そのまま弱っていく、いつかさよならする久喜の始まりのような気がして、それが急に具体的に目に見える現象として突きつけられて、ただただ狼狽している。(そのことを考えるだけで涙が溢れる)
写真は、階段が上がれないことに気づいた前日、Sit!(おすわり)ができなかった日。シッポが下に曲がり様子がおかしく、自分のベッドになかなか座らず、どこか痛いのか心配した。とりあえずベッドを私の椅子近くまで移動して、ブランケットを共有してやったら、やっと落ち着いた時のもの。
そう、突然ではないんだ。久喜はサインを出している。注意深くしていなくては。
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